第17話〝ジラー! 会いたかったよ!″

ジラ:「それは、LEOです。」


エレ:「えっ?」


ピグ:「やっときましたね。」


エレ:「ジラ?

ジラー!

会いたかったよ!」


ピグ:「早速ですが、ジラ。説明してもらえませんか?

なぜ、約束の時間に来れなかったのか。

そして、LEOについて。」


ジラ:「ピグ。わかったけど、まずあなたも、あちらの世界のあなたからは、想像できない姿なんだけど…。

そして、ある意味、もともとのあるべきあなたに対して、不完全であるとも言っておくわ。

これからのことを考えると、少し心配…。」


ピグ:「これには、ワケがあるんです。

不完全なゆえに、可能性は無限化する。

だから、あえてそうしたんです。

この世界において、これから起こりうることにおいて、【完全】は、足かせになると思ったんです。」


エレ:「あの〜…ピグ、ジラ?

なんの芝居のお稽古をしてるの?

なんか、かっこいい会話っぽいけど、正直!チンプンカンプンだよ!」


ジラ:「ごめんなさいね…エレ。

本来、あなたには、全てを思い出してもらわないといけなかったんだけど…

まさか、自ら身を投じようとするほどの状態になるまで、深刻な事態になっていたなんて…

あの時のあなたに対しては、まず生きることへの考え方に変化するように、導くまでが精一杯だったのよ…。

それほど、この世界は、深刻化していたのです。」


ピグ:「ジラ?先ほどのLEOについて、説明して頂けますか?

私はもうすでに、あなたの考えを読み取り理解しましたが、エレも知っておく必要があるし、理解して私たちに協力して頂かないといけませんから。」


エレ:「二人とも、なんだっていうんだよ!

この僕に何かを求めてるって感じだけど…

何かと神様、神様って言われるだけでも、嫌気がさしているのに、なんなんだよ!」


ジラ:「エレ…これから起こることは、誰にも予測することは出来ません。

むしろ、予測、想像し、こうなるんじゃないか?と考え、発言したことは、起こらないと考えた方が良いとさえ言っておくわ。

あなたが、さっき言ったこと、それが今、まさに深刻な事態に陥っていることの真因なのかもしれないの…

まだ確証はないんだけど…

あなたがさっき言ったこと、


『そうだとすると、この世界も誰かが描いている世界で、その誰かがいるのかもしれないね。』


この世界も誰かが描いている世界で、その誰かがいるのかもしれない。


あなたが放ったこの言葉も、LEOはひらめきのエサとして利用し、思いがけない世界に変化させるチカラを持っている。


でも、この世界や私たちにとって、敵なのか、味方なのかサッパリわからない。


不思議な存在なの。


でも、今までは、むしろ気にする必要はなかったの。


それだけで、全てがバランス良く世界は、保たれていたのですが…


そして実は…そのLEOのチカラを、利用することができる誰かが現れたのかもしれないのです!」


エレ:「なんなんだよ!そのLEOって?

なんで僕に何かを求めるんだよ!」


ジラ:「エレ。さっきも言ったけど、LEOは、私たちにはハッキリと知ることができない不思議な存在なの。


わからない。


それが答えです。


でも、一つわかったことは、そのLEOを生み出したのは、エレ。

神様である、あなたであるということなの。」


エレ:「僕が、君たちの言う神様だとしたらでしょ!

何を根拠に僕なんだよ…困るよ…。」


ピグ:「おそらく、ジラが言うLEOそのものは、問題ではなく、むしろ必要な存在なんですよ。

今、この世界のバランスを狂わせている【何か】を探し出すことが優先されると思います。

そして、なぜジラは、私との約束の時間に来れなかったか、この理由もとても重要な気がするんです。」


ジラ:「ピグ、遅れてしまってごめんなさい。

今から経緯を説明するわ。」


ピグ:「なるほど、そういうことだったのですね。

それは、もしかしたら…」


エレ:「ちょっと!ピグは、相手の考えが読めるから、なるほどかもしれないけど、僕にとってはなんのこっちゃ!だよ!

僕にも分かるようなトークにしてもらえないかな?」


ピグ:「エレ…しつこいようですが、この世界でお願いされましても…」


エレ:「あーもう!

ピグは、真面目すぎるよ!

もっと臨機応変に対応してよ!」


ピグ:「エレ。あなたが創られた法則は、あなたの思いの強さで、作用するチカラが決まるんです。

エレの願いの思いが強すぎて、私は臨機応変に対応できないのです。

ある意味、凄い思いのチカラをお持ちだということです。


さすが、神様!」


ぐるんぐるん…


エレ:「また…」


ジラ:「何あれ?ピグは、何をしてるの?」


エレ:「何かに感動すると、シッポをぐるんぐるん回して、感動に浸りきってしまうんだよ。

いちいち疲れるよ…」


ジラ:「ピグ?どうしてそんなことになっちゃったの?」


ぐるんぐるん…


エレ:「ジラ。忠告しておくけど、ピグがこの世界に飛び込んでから、実感していないような新しいことを言ったり、経験させたりすると、このやりとりが、永遠に繰り返すから、気をつけた方がいいよ。

僕は、もう、うんざりしてるんだ…」


ジラ:「ピグ?もしかしたら、それって不完全にした代償なんじゃないの?

こちらにくる時、そんなあなたを描いてきた?」


ピグ:「いえ…不完全にした代償だと思います。

でも、感動すると抑えられないんです。」


ジラ:「あの…ホントにそんなので大丈夫なのかしら…?

かなり心配だわ。」

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