第2話 アルミ缶の上に‥‥
大晦日。それは一年最後の日で次の年を気持ちよく過ごすために大掃除をする日でもある。それはこの部屋に住む竹彦(26歳彼女なし)にとっても同じようで友人と一緒に大急ぎで掃除をしていた。
「よし。俺この荷物捨ててくるからタクミはそこにあるみかんでも食べて休憩してて」
「おう、りょーかい。みかんてこれのことか?」
匠は近くにあった色艶のいいみかんを手にとった。
「あ〜すまんそっち高いやつだからやめてくれ。そこのやつにして、その缶の上に乗ってる奴」
「缶?これのこと?」
次に匠が手にとったのはスチール缶に乗ったみかんだった。しかしそれはもはやみかんというよりカビまんじゅうという響きの方が正しく聞こえる。
「そっちじゃなくて。ほらそれだよそこの……」
竹彦はにやっと笑ってこう言い放った。
「アルミ缶の上にあるみかん!!」
「やかましい!!」
結局色艶のいい高いみかんを食べられてしまいましたとさ。
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