第8日目:Ⅲ【鈴蘭と花言葉】
【3時間目】
私は彼から送られてくる花の写真を全て保存していた。
この時を忘れないように。この想いをずっと残しておくために。
花の写真が100枚になった日、私は勇気を出して学校に行った。
100枚目の写真はリンドウだった。花言葉は「悲しんでいるアナタを愛する」
私は彼に会いに駆け足で学校に向かった。
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“もしも”私に勇気があるのなら、鈴谷君に私から好きと言いたい。
その一心で学校に向かった。
私の予想に反して、クラスのみんなはもう私を疑って無かった。逆にみんなで謝ってきた。
クラスのLINEでも謝ってくれたらしいが、私は通知をオフにしていたため気づかなかった。
私をジメジメとさせていた残暑の暑さはとっくに消えて、冬になっていた。
朝のホームルームが終わると、私は彼に呼ばれた。
そして、1枚の現像された写真とメモを渡された。
その写真には、彼のあだ名にもなっている綺麗な鈴蘭が写っていて、メモにはこう書いてあった。
「再び幸せが訪れる」
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部活はやめてしまったけれど、悔いは無かった。
帰宅部になった私は、彼と一緒に帰るということが可能になり、更に、一緒にいる時間も増えた。
あの時みんなが描いた絵が消えてしまったのは悲しいけれど、あの子たちなら、きっといい絵が描ける。と、信じている。
“もしも”部員が足りなくて、美術部がなくなったとしても、なんとかするだろう。
そんなことを思いながら、私は今日も
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