第2週目
第4日目:Ⅰ【先輩とクソ動画】
【1時間目】
今日も美術室では、部活に関係無い会話が交わされる。
「なぁ、裕平。YourTuberって全然稼げないな。」
「ユアチューバーを検索します。」
「本当ですね。」
タクトは相変わらず棒読みだなぁ。なんてことを考えながら答える。
「はっ?」
先輩がスマホ画面を見ていた顔をいきなり僕に向け、さらに椅子を倒したので驚いた。
「ユアチューバーは動画サイトユアチューブに動画を上げ主に収入を得ている人のコトを言う。」
「何が『はっ?』なんすか〜。」
「いや、お前YourTubeやってたんだな。」
前からやってみたかったのだが、中学生になり、そろそろと思い始めたのだ。
「先輩、チャンネル登録何人すか?」
「3人友達で、5人だな。裕平は?」
「勝ちましたね。100人です。」
「お前友達多いなぁ。」
「友達は、3人しか登録して無いです。」
「マジかよ!ハンドブックにも書いてあったし、コラボしようぜ。」
YourTubeには良い動画を作るためのハンドブックというのがあるのだ。
昔はよく読んでいたが、最近は自分らしさを追求する為、そういう物はあまり読まないようにしている。
「で、先輩。どんな動画を出してるんすか。」
「あぁ。こんなのとか。」
先輩にみせられたのは、先輩が勉強を教える動画だった。自分の机の上に小さめのホワイトボードを乗せ、それを使って数式などを書いていた。
わかりやすいのだが、途中にオヤジギャグを入れてしまっているのが、玉に瑕だ。
「あと、こんなん。」
先輩がド下手なビートボックスをしている動画だった。これじゃダメだ。
あと、どの動画のサムネイルも、シンプルすぎてつまらなかった。
しかも、チャンネル名は「こうすけ」という名前そのもの。
「先輩。これは、酷いです。」
ここから僕の、先輩の動画改善プロジェクトが始まるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます