第3日目:Ⅱ【先輩と部員と人工知能と】
【2時間目】
「で、先輩。斉藤先生の提案ってどういうことっすか。」
先輩は、人工知能のロボットを部員にすると言いだしたのだ。
「いやぁ、なあ。さっき呼ばれたのも部員が少ないってやつでな。あと1人、とりあえず増えたら来年の春まで部活残してやるって。」
「あぁ。今年の冬には俺1人っすもんね。」
うちの学校では、12月になると3年生は退部しないといけないのだ。
「そうだったな。」
「先輩、それ言ってくれれば俺の友達呼んだんですけど。」
「そうだったか。まぁ、普通に部活してもつまらないし、コレ作ろうぜ。」
「そういえば。先輩、僕らが『忙しく』してるのって全然部活関係ないですよね。」
「なんてこった。パンナコッタ。」
「は~い。作りましょうか先輩。」
「分かりました!死ねばいいんでしょ!死ねば!」
「ワタシの名前はタクト。多摩猫中学校に通う一年生デス。」
人工知能のプログラムとパーツは先輩が作ってあって、1時間くらいで作り終わった。
「できましたね。先輩。」
「これで俺は世界を征服する。」
先輩は両肘を付き、カッコつけながら言った。
「私に世界征服はプログラムされていまセン。」
「なんだよ~。」
先輩はとてもがっかりした表情で僕を叩いた。
「痛。何するんすか先輩。」
「愛情表現だよ。愛情表現。」
「先輩なんかから愛情なんて貰いたくないです。」
そうして今日も最終下校のチャイムが鳴る。
ーーとある学校の美術部にて。
「なぁ、咲良。そろそろ、始めないか。アレ。」
「そうだね蒼斗。そろそろ、始めようか。全国美術部改善プロジェクトを。」
「まずは多摩猫だ。」
誰もいないはずの多摩猫中学の美術室でタクトの目が赤色に光った。
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