第3日目:Ⅰ【先輩と僕と人工知能と】
【1時間目】
今日も先輩はおかしい。
「さて、あなたはこんな話を聞いたことがあるだろうか。
人類はいつか滅亡して、地球、いや宇宙すべてを人工知能が支配するという話を。
人間に作り出された人工知能はいつか人間を超え、最初は人間の手で行ってたメンテナンスも自分たちでするようになり、新しいロボットの開発、アップデートさえも自分たちでするようになる。
そして、いらなくなった人間は環境破壊などの要因によって自分たちの住む場所、住む星をなくす有害生物としてこの世になかったものとしてくる。
もちろん、それを止めようとする人工知能もあるだろう。そこで人間の歴史と同じ戦争をするのだ。
地球はぼろぼろになり、ほかの星へ行くものもいるがそこでも同じことが起こり、繰り返される。
つまり、人間が作り上げた人工知能はあくまでも人間の知能であって、いくら成長を遂げても、完璧ではないのだ。」
「先輩どうしたんすか。」
「いや、お前に話してたんだろ。」
「あ。すいません。寝てました。」
「まぁいい。これ作っぞ。ワクワクすっゾ。」
昨日メールで送られてきた最新人工知能ロボットのことだ。
先輩のメモ
~道具~
テキトー・信じる心←これ重要
それにしても『信じる心』って、毎回あるけどどういうことなんだよ。
毎回、俺信じてないんだけどな。
「あ。」
「どうしたんですか。なんか忘れてきました?」
「ゴメン。おれ、担任に呼ばれてるの忘れてた。」
「なにしたんすか。先輩。」
「何もしてねーよ。じゃあ裕平これ使うから開けといて。」
先輩から渡されたのは、「ロボットを作ろう!」と書いてあるキットの1メートル×1メートルくらいのダンボール箱だった。
「これでいいのかよ。」てか、どうやって持ってきたんだよ。
口に出ていたようだ
「いいんじゃない。」
「ちか部長!」
ちか部長が口を開くのは大体、妄想か不吉な時だった。
「何が起きても知らないけど。フフフ」
そう言って部長は先輩がいつも座ってる席の前、一番前の席に戻った。
何だったんだ。
気を取り直して箱を開ける。
中にはロボットの頭、体、腕などの体のパーツが色々と入っていて、中からパーツを取り出すとそれぞれに接続するところがわかるようにアルファベットが書いてあった。
本当に初心者用のものだった。
ほんの5分後。
先輩が戻ってきた。
「お。空いてるな。じゃ、今日はここで作るか。」
「先輩、これ初心者用のですよね。」
「あぁ。俺が考えたパーツがはまんのこれだけだったんだよね。」
「そういうことっすか。てか、これ作って何するんすか。」
とりあえず聞いとこうと思った。でも、こんな答えが返って来るとは思わなかった。
「部員にする。」
「先輩!大丈夫っすか。それ。」
先輩がさっき言ってた事になるのでは。と、思った。
「大丈夫だ。顧問の考えだから。」
「へ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます