第2日目:Ⅲ【部長と地球破壊】
【3時間目】
部長の妄想は下校時間を過ぎても止まることはなかった。以下は先輩の妄想と僕らの会話の様子である。
科学者Kは物体転送装置通称どこでもドアを改造し、『サイコディスオーダー』を作った。
サイコディスオーダーはドアを通った人間を凶暴化させたり、体の一部を変形させる能力を持ったドアだった。
科学者Kはそれを使いいたるところで悪事を働いた。
それを悪く思った少年ユウは仲間を集め正義の集団『Population of justice』通称『POJ』を作った。
「先輩。正義の集団『Population of justice』って名前そのままですよね。」
「そうだな。ほかにもなにかあったと思うんだが。」
『POJ』は会議の結果、科学者Kに何を言っても聞かないという結果に
実はユウは科学者Kの下で働いていた一員だったのだ。
ユウは軽々とサイコディスオーダーを作り、さらに『元の人の姿に戻す機能』そして、『どのように人を改造するか選択できる機能』を追加しそれを『トゥルー』と名づけた。
科学者KとPOJとの戦いは5年に及んだ。
「5年あったら、早けりゃ俺達もう社会人になってるぜ。」
「先輩。妄想ですから。」
科学者Kは更なる兵器人間を送り込み、それに対抗するためユウはトゥルー改を作り、戦った。
世界は滅亡寸前となったが、POJはトゥルー改のおかげかPOJは見事科学者Kに勝ち、悪の元凶とされたドアたちは壊され、元のドアを作った科学者Kである浩介と少年ユウである裕平は処刑された。
部長の妄想はそこで終わり我に帰ったかのように「もう下校時刻過ぎてるよ」と言い、僕は青くなっていた。
「先輩。これ壊しましょう。」
「妄想なんだろ。」
「いやでもまあその。」
「まあいい。欲しけりゃまた作るし、何かあったらめんどくさいし。壊すか。」
ドアを壊し、異世界から出た僕たちは日直の先生にひどく怒られ素早く帰った。
家に帰ったあと担任から電話があった。遅くまで学校に残っていた罰として宿題を増やすという。
暗かったからよく見えなかったが日直の先生が担任だったらしい。
夜、増やされた宿題をやりながら思ったことがあった。あの『物体転送装置通称どこでもドア』は本当に使えたのだろうか。
そこで鳴った携帯に気を紛らせられそのことは忘れた。
続く
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