第2日目:Ⅱ【どこでもドアと部長】
【2時間目】
時計は6時を指していた。作り始めて1時間半が過ぎただろうか。
「デッキターン!」浩介先輩はいきなり大声を上げた。「デカイ!しかも2台‼︎しかも早い!」「だろぉ。」
「先輩。一人でなにやってんすか。」
「いや。この興奮を表そうと思って。」
「それにしてもでかいですね。」
それは高さ2メートル横1メートルの『ド』がつくほどのでかいドアだった。枠はいろんな機械を入れて木材で作った。が、ドア自体は作るのが面倒くさく、ホームセンターで売ってた金属板にピンクで塗装して、ドアノブをつけただけだった。
「この物体転送装置通称どこでもドアはな、」
「そこまでが名前なんですね。」
「まず、物体が通るとそれを分子レベルで解析するんだ。とりあえずこの事をコピーと言おう。次にだな、行き先にあるドアにペーストつまり、転送するんだ。元の物質はそれが行われる1秒間で消える。」
先輩の天才頭脳についていくのは大変だったが、そこで気になることがあった。
「それじゃあ、クローンじゃ。」
「チッチッチ。違う。元と同じデータなら、バグでも起こらない限り本物だ!」
いいのか本当に。そう思った。何かよからぬことが起きるんじゃないか、と。
「そしてこれから10数年後。」
「「ちか部長!いつからそこに!」」
「全国のエイトトエンティに物体転送装置通称どこでもドアが設置された。」
「話、続けるんだ。部長って
「マジで設置されたのか!」
「先輩うるさいっす。部長の妄想ですよ。」
ちか部長ほ続ける。
「それは突然起きた。ドアを通った人間が、虫のような姿になったのだ。
バグだった。それに目をつけた科学者がいた。名を仮にKとしよう。」
部長の妄想はまだまだ続く。
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