第1週目
第1日目【暇部と美術部】
と、いうのは、我が校の美術部は「絵を描く部」というよりもトランプなどをして、「いつも遊んでいる暇そうな部」だと思われているからだ。
「おーい。
今は4月の部集会中。美術部に入って1年経った。絵は少しうまくなり、先輩への対応に困ることも少なくなった。
「おーい。」
「あ、なんですか。
いつも騒いでる、少しうるさい先輩だ。でも絵を描くのが上手くて、頭も良い、尊敬はできる先輩だ。
「だからさぁ、活動方針は『暇じゃない部にする。』で良いよな。」
「あ、はい。良いと思います。」
「だからさぁ。そろそろ敬語やめてくんない。そういうのかったるいから。」
いつもは面白い先輩だが、怖いと思うことが時々ある。
それは、先輩としての貫禄だったりする。
「わかった、っす?」
「おぅ、OK、OK。そんな感じで良いから。」
先輩は2列左、一番左の列の、いつもの席に戻った。
「じゃあ、終了!この後は部活して良いよ。」
部長のちか先輩が終わりの挨拶をして部集会は終わった。
「おい!裕平。早速、暇ではなく見せるためにコレやらないか?」
肘を立て、ぼーっとしてた僕に浩介先輩が見せてきたのはスマホの画面だった。
そこには『異世界へ行く方法』と書かれていた。
「先輩。コレどうせガセですよ。今まで動画とかでそういうの見たことあるけど、できないで終わりますもん。」
信じてはいないが、動画自体は面白いのでエレベーターを使ったものをよく見る。
「でもな、コレ。ガチっぽいんだ。」
「じゃあやってみます?」
「おうよ!」
一応サイトに書いてあったことをここに記しておこう。
〜使うもの〜
机・鏡・靴(二足)・信じる心←これ重要
〜やり方〜
まず最初に机の上に鏡を置く。
次に靴を全て、鏡の前に置く。(しっかり鏡に映る様に)
最後に五十音を2分で言う。
「先輩。コレでできるわけないっすよ。」
「じゃあ良いよ。俺がやる。」
なんだかんだあって5分後。
「先輩。すいませんでした。」
1メートルくらいの時空が裂けたような輪っかが、机の前にできていた。
「だから言ったろ信じろって。」
「いや。」
「なんだよ。」
「信じろなんて一言も言われてません。」
「細けーこたぁ良いから早くくぐろうぜ。」
「大丈夫なんすかって、先輩。はやっ。」
くぐった先は白く四角い部屋だった。
机が1つ置いてあり、その中には手紙が入っていた。
手紙にはこう書かれていた。
「信じてくれてありがとう。嬉しいよ。この部屋はあなたのものです。ご自由にお使い下さい。また、ゲートは5分後に締まります。この部屋で、再度儀式を行うと開きます。では、楽しい異世界LIFEを。」
裏にはこう書いてあった
「てか、こんな記事見つけるとかすごいねw君がもし女の子ならここにメールしてよ。」
その下にはメールアドレスが書いてあった。
出会い厨か!!
僕と先輩はその時同じ言葉が頭に浮かんでただろう。
「鏡。とってこよ。」
先輩は冷めた感じだった。
「そうですね。先輩。」
そうして今日が終わった。
続く。
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