夜明け前の町

作者 青葉台旭

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★★★ Excellent!!!

ネタバレを含みます。閲覧には、ご注意下さい。

何か寂しい感じがする、どこか放浪者とでも名付けたくなるような雰囲気がする、と思っていたら、まさかの世界で、なるほど、と。徐々に明かされていく事実に、色々と浮き彫りになる感覚を覚えました。

★★★ Excellent!!!

地球が回ることを辞めたとき、起きているか寝ているかが人々の命運を分けた。

起きていた者には、永久の覚醒を。眠っていたものには、永久の睡眠を。地球が止まったのと同時に、時間も止まる。

主人公が住んでいる町は、夜明け前の町。夜明け前の地点で時が止まった街。永遠に夜明けは訪れない。

ある場所では、夕暮れが。ある場所では、夏の終わりが。それらがずっと、続いている。そこで歩みを止まっている。

主人公は永久の睡眠に囚われた妻とともに住み続ける。かつて妻が主人公との居住の地に選んだこの町に。

男は今日もキーボードに向かい、小説を綴る。


回ることを辞めた地球。そこで暮らす人々。眠ることのできない人々と起きることのできない人々に、突如二分されてしまった人々。そんな世界での人々の営みにはしんみりしたものが感じられました。