第9話 エレファントとアント、和解!
町に戻ったみーなはブロインから降り、ゴンスとブロインと3人でガネシャ元皇王と対面を果たした。
最初は半信半疑だったガネシャ元皇王も、ブロインの説得により話を信じることと相成り、その足でアントアネットの待つ地へ赴くことにした。
現地に着いた時、アントアネット王国全員が地上に出でおり女王以下アントアネット国民全員が膝まづき天上エレファントであるガネシャ元皇王を受け入れた。
ガネシャ元皇王はその荘厳とした姿にいたく感動し、話し合いの席についた。
ガネシャ元皇王にはブロインが、アントアネットにはみーながそれぞれ通訳をし、まずはガネシャ元皇王からの深い陳謝が講じられた。
以下はその一文である。
『この惑星が創始されてからいくつの文明が興ったかはわからない。ただ、お互いの意思疏通が思わしくなかった二つの種族が今日ここに相成ったことを慶ばしく思うと共に、この惑星に生きる同士に今まで深い悲しみを与え続けていたことを厚く陳謝申し上げる!本当に申し訳なかった。
しかし、この陳謝で両種族の壁は取り払われた訳ではない。エレファント族はアント族に対し、謝罪、賠償責任を果たし、“国”としての国交を通じて、これからはお互いを尊重し、生きる道を模索していくことをここに宣言する!
そして、この条約は“アント”の人権を保護し、“エレファント”に於いてこれを破るものは厳重に処罰することとすることを約束する!
第1,853代天上エレファント族族長 ガネシャ・マンモス1,853世!』
この宣言を聞いた全アントアネット王国民が涙した。
今まで脅威の存在であり、この惑星のトップである天上エレファントがアントに陳謝し、人権保護を確約したのである。
これを受けてアントアネット女王もこれまでのテロ行為を陳謝、改めて国としての正しい国交を約束した。
その後、ガネシャ元皇王は信愛の証である“肩車”をアントアネット女王に施し、ここに“エレファント・アント和平条約”が結ばれた。
[[[ガネシャ!ガネシャ!]]]
[[[女王!女王!]]]
興奮冷めやらぬアント達の喧騒の中で、みーなはブロインに聞いた。
「でもみーな達が帰ったら、エレファントとアントはどうやって話し合ったらいいの?」
「みーな様、この国には“ピンキーマスター”という長生きの猿がいます。彼らは実はあらゆる言語を理解でき、そして話すことが出来るこの国の賢者なのです。10年前、この二つの種族が和解したことを条件に、彼らには仲介役を任せてあります。あとはこの惑星に任せましょう。あの賢者達の耳は
<キキッ!>
近くの木からは一匹のピンキーモンキーが様子を伺っていた。
「そか!じゃあもう大丈夫だね!じゃあお誕生会あるし、帰ろっかブロイン!」
「御意でございます」
『みーな、もう帰っちゃうのかい?』
「うん!また来るよゴンス!みーなのこと、忘れないでね!」
[みーな殿…]
「なぁにアンドリュー?」
[私も…連れていってくれないか…?]
「えー!ブロイン、アンドリュー連れていっていい?」
「うむ、我々の星は重力がここの10倍だ。アンドリューは質量が少ないゆえ、その甲冑を脱げばなんとか活動出来なくもないが…」
「ふぅん、“大変だ”ってことみたいだよ?なんで行きたいの?」
[私は…もっと色んな世界を見てみたい。みーなのいる世界も見てみたいんだ…頼む!連れていってくれ!甲冑なら捨てる!]
[私からも頼めるか?]
「アントアネット!」
[女王様、いや…お母様…]
「え!アンドリューって王子だったの!?」
[いや、王女だ。最も継承権は低いがな…]
「えー!女の子なのー!びっくり!じゃあ、行く?」
[あぁ!連れていってくれみーな!]
<ガシャン!ガシャン!>
甲冑を落としたアンドリューは美しいアントの姫の姿を現した。
『みーな!アンドリュー!バイバイでゴンス!』
「ゴンス!みんな!またね!じゃあバイバーイ!」
ブロインは一際大きく光輝くとそのまま姿を消していった。
そうしてみーなはブロインにアンドリューを乗せて、地球へと帰っていったのだった。
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