魔王戦
第89話 精剣
「ふむ、決めたぞ。この小娘は触手で存分にもてあそんでやろうではないか。またとない快楽をその身に味わわせて、今日を一生忘れられぬようにしてやろう。それが妾に牙を向けた――貴様への罰だ! フハ、フハハハハッ!!」
「いや、助けて……、お兄ちゃああああん!!」
菜々芽を絡め取っている触手が、ヌメヌメと動き出す。
そして今にも服の中に入ろうとしていた。
「どうしましょうアラタ、ナナメちゃんがピンチです! ――エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!!」
おい女神、2回言わなくてもわかってるよ。
「あ、おにい……ちゃん」
あまりにもショックだったのか、菜々芽は気を失ってしまった。
それと同時に、触手が動きがピタッと止まる。
「菜々芽ぇー!!」
「ぬ、意識を失ったか。これではいたぶってもつまらんのう。仕方がない、先に貴様らの相手をしようではないか。それにしてもこの花梨とやらの処女膜、なかなか良質な環状処女膜だな。これなら経穴の流れもいいだろう。アラタとやらもそうは思わぬか? ん?」
んなこと知らねえっつーの。
いいから菜々芽を解放しろ。
しかしそれより、この魔王をどうやって倒せばいいんだろうか。
攻撃を加えたら、花梨の体に傷をつけてしまうし……。
「アラタ、エクスカリバーを使え。あれなら斬りたいものだけを斬ることができるはずだ。カリンを斬らずに魔王の精神体だけにダメージを与えられる」
「シェリル、本当か……?」
「ああ」
「――よし。魔法剣・エクスカリバー!!」
俺はバイブを手に取ると、スイッチを入れた。
ブゥゥンという音とともに、先端の鈴口から白い光の刃が出現する。
そして念じた。草は斬りたくない。地面だけを斬りたい……。
足下の地面を刺してみる。刃は草を貫通して、土だけをえぐっていた。
確かに。
これなら魔王だけを攻撃できそうだ――!
「うおおおおおおおおおっ!!」
俺はバイブを構えると、魔王に向かって飛びかかる。
「馬鹿め。この処女膜の前には何も効かんと――――むっ!?」
魔王は余裕の表情を見せていたが、これが普通の剣ではないことを察知したらしく、直前になってその表情を一変させた。
処女膜の盾を消すと、俺の攻撃をかわそうとする。
だが避けきることができずに、俺の攻撃は花梨の腕をかすめた。
「ぐお――――っ!? な、何だと…………!?」
魔王が苦痛の表情を浮かべる。
花梨の肉体には何の傷も残っていなかった。
やった、成功だ!!
魔王だけにダメージを与えることができたぞ!!
「その剣はいったい……。もし処女膜を出したままであれば、妾は処女膜ごと貫かれておっただろうな。危ない危ない」
「これが俺の精剣・エクスカリ
「笑わせるな。今のは油断しておったが、そんな貴様のにわか剣法にやられる妾ではないわ! 妾を本気にさせたこと、今から後悔しても遅いからな」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……。
魔王の全身から闇の気があふれ出てくる。
だが臆している場合じゃない。
魔王を……倒すんだ!
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