第13話 属性魔法

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 ななめ 女 12歳 人間

        レベル99【カンスト】


 ちから :15    最大HP:250

 すばやさ:70    最大MP:780

 まりょく:あ99

 スキル 攻撃魔法:二重意図ダブルミーニング

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 出現したウインドウはコマンド操作ができたので、菜々芽のステータスを見てみることにした。


 ――ファッ!?

 おいおい、レベルが99になってんぞ!?

 

 さっきのファンファーレ、確かに100回近く鳴ったっぽいし。

 それに横にカンストって書いてあるけど、もう最高レベルってこと?


 それにしても、MPだけ飛び抜けて高いな……。

 つーか魔力もか。これ多分、値が高すぎて表示バグ起こしてるんだろうな。いつの時代のゲームだってくらいのレトロゲーに、こういうのよくあるんだよな。


 あと二重意図ダブルミーニングってスキル、これはいったい何だ?


 俺が疑問に思っていると、シェリルが感心したように口を開く。


「さすがは妹属性の魔法、たいした爆発力だな」


「妹属性? シェリル、それどういうことだ?」


「魔法には属性というものがあるのだ。ナナメはどうやら妹属性の使い手らしいな。妹属性は破壊力が抜群だ。きっと凄腕のウィザードになることだろう」


 …………え?

 属性って普通、火とか水とかじゃないの?


「さきほどナナメが爆破した場所は、おそらく魔の山――魔物たちの総本山だ」


「だからこんなにも経験値が入ったのかよ……」


 これもう、菜々芽が最強なんじゃないのか?

 あれ? ってことは……もう俺って必要なくない?

 もしかして救世主って菜々芽なの? 俺じゃないの? 


 ここがゲームっぽい世界だというなら、きっとスキルの効果や設定、いわゆるフレーバーテキストもウインドウで見ることができるはず。

 俺はさらに操作を続けて、該当の箇所を見つけた。



【攻撃魔法:二重意図ダブルミーニング 妹属性

 発動のための呪文は、日常会話ともとれるエロ単語。エロ単語と認識せず無意識に発動させた場合、威力は通常の10倍となる。しかしその場合は狙った相手に使用することはできず、対象は無差別となる。この効果は無垢な心を持つゆえ、相手を差別しないことから由来している。無垢とは、時に大切な人をも傷つけてしまう諸刃の剣なのである】



 ――何が【諸刃の剣なのである】だよ! うまいこと言ったつもりか!



 これってあれか。

 つまり今の爆発が、俺やシェリルに当たってもおかしくなかったってことだろ。

 経験値を得たってことは、今回はたまたま外にいたモンスターに当たったってことなんだろうけど、それって運がよかっただけってことだよな……。

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