第6話
タイトル戦の1日目は挑戦者松山8段の急死で幕が閉じるという、前代未聞の結果となった。死体からは致死量の薬物が検出されていた。
羽賀はいつも薬を自分では飲まず、対戦相手の飲食物にこっそり盛っていたのである。理由は、全力で戦っても、いい勝負の将棋を楽しんでもらう為と、モチベーションを保つ為だった。羽賀の一手を、松山は最後まで読み切ることは出来なかった。
棋士の矜持 ひょん @kinshiro1201
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