第2話
棋士の性分で、念のため念のためと余裕を持って来たが、すべてスムーズに来たので、40分程早く着きそうだ。一旦研究室の場所を確認した上で、別の場所で時間を潰すことにした。
研究室は研究室棟に入ってすぐにあった。ドアの前で部屋番号48、黒川研究室の名前を確認したところで部屋の中から声が聞こえて来た。
「あっ、羽賀さんですか。来月から使って頂く新薬が届きましたので。
あっ、はい。10%アップします。ええ、錠剤です。粉はまだ。でも、小さくなります。あ、伸びましたよ。15時間くらいですね。致死量は2錠ですから変わりません。気をつけてくださいね。15時間ですから。棋竜に間にあって良かったです。明日、伺います。」
松山は震えながら、音を立てないように、しかし足早にその場を離れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます