travel♡love
紅葉
第1話 助けて。。。
1人で海にいた。
外は真っ暗で目を凝らさないと何も見えない。
修学旅行に来ていた。沖縄だ。
なんで、夜に海に入るかって?
病気を持ってるから。日に当たれないのだ。本当は私だって皆と一緒に昼間に入りたかった。でも、無理だった。
「せんせー。夜、海行ってもいいですか?」
担任にそう言うと、許可がおりたのでここにいる。私だけ特別だけど、、、、。
ぺちゃぺちゃと水に足をつけて遊ぶ。
そして、ちょっと疲れが出てきて、砂浜に座った。そのままぼーっとしていると、
「あれ?栞乃?」
「え?」
いきなり、名前を呼ばれて振り返る。
「やっぱ。栞乃じゃん!久しぶり。」
後ろに立っていたのは、
「遼。」
元カレだった。
私の1番嫌いな人だった。
「なになに?テンション低くね?」
そんなこと気づいてないのか、どんどん話しかけてくる。はっきり言ってどっか行って欲しかった。
「そんなことない。遼も修学旅行?」
「そうそう!栞乃の学校と同じになるなんてな!」
嬉しくない。
「なぁ、栞乃。」
いきなり真剣な顔になった。
「なに?」
「今、彼氏とかいんの?」
「いない。」
端的に返す。
「あ、のさ。」
少し間を置いて、
「俺、まだ栞乃のこと好きなんだけど。」
「は?」
「悪いのは俺だし、わかってる。」
だったら、ふざけるな。
「やり直せないかな。」
「無理。」
「なんでだよ!」
「嫌い。」
向こうも向こうで引こうとはしない。その場にいるのが嫌だった。
「ホテル帰る。じゃね。」
そう言って、去ろうとすると、
「待てよ!」
と腕を捕まれ、
「んっ、、、。」
一瞬、なにが起きたのかわからなかった。
が、理解は早かった。
「なにしてんの?」
「何って、キスしたんだけど。」
「ふざけないで。」
「ふざけてねーし。」
もう1度されそうになり、
「やめてよ。」
腕を引っ張る手を退けようとする。
「ちょっ、まってよ。やめてっていってんじゃん。」
そう言っても聞くわけがないことはわかっていた。
どうしようか。助けて欲しい。
「栞乃?大丈夫?」
そう聞こえてきた声にものすごく安心した。
「なにしてんの?」
それは私に問われたものだった。
「助けて。」
一言それだけいきなり来た彼に伝える。
「おっけ。」
彼はそれだけ言うと、
「栞乃の手離してね。」
「は?お前誰だよ。」
「それはこっちのセリフ。」
「俺は、栞乃の彼氏だ!」
「元、ね。」
間違えていたので付け足した。
「ふぅーん。元カレさんが今になって何のよう?まさか、より戻そうって?」
図星をつかれた。と言うようなあからさまな顔をする。
「無理だって。」
「お前が言うなよ。」
「いやいや。俺だから言えんだよ。」
「は?どう言うことだよ。」
「栞乃はこれから俺の彼女になるの。だから無理。はい、ざんねーん。」
「え、。」「は?」
私と遼の声が重なった。
「いっみわかんねー。嘘だろ。はは。栞乃行くぞ。」
「やだ。やめて。」
力ずくで引き出した。正直かなり痛い。
「おい。女にその力はねーだろーが。」
そう彼に言われて少し力が緩んだ所を思いっきり手を振り払い、代わりに彼の腕を掴み走った。
「おい!」
後ろから声が聞こえたが無視をして、走り続けた。
travel♡love 紅葉 @Kaede-kenn
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。travel♡loveの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます