第6話 彼の心
彼女とあの話をした次の日僕はクラスメイトに相談した。
答えのようなものが出た。
僕は彼女に大事な話があると言った。
「大事な話って何?」
「昨日の話覚えてる?」
「えぇ。覚えてるわ」
「僕、あの感情のことわかったんだ」
あの感情。
それは嫉妬。クラスメイトにそう言われた。
「それは嫉妬だな」
「嫉妬?」
「そう嫉妬嫉妬。お前、彼女のこと好きだから他の人と話してるのが嫌なんだよ」
「僕が…彼女のこと……好き?」
「えっ…!!まじかよ、お前それも気づいてないのかよ。やばいなー」
「全然気づかなかった。でも好きっていう感情のことは知ってる。僕はそれに全部当てはまってるから彼女のこと好きなんだと思う」
「当てはまるって…例えば彼女のことずっと考えてるとか?」
「うん。そう」
僕は彼女に恋をしていた。
でも、僕は彼女を幸せにしたいだけで、恋人になりたいわけでは…と言ったら
「あーそれはあれだな。好きって言う感情を認めたくなくてそれで誤魔化してるだけだな。誤魔化してるっていうか…好きっていう感情を押し殺してる、お前にとって知りたくなかった感情なのかもしれないな」
知りたくなった感情。
そうなのかもしれない。
僕の目的は彼女を幸せにすること。
僕はその目的のためだけに動いてきた。
もちろん彼女のことを大切に思っているからこそ幸せにしたいと。
僕が彼女に恋心を抱くことで彼女との関係が崩れてしまうかもしれない。
僕はそれが怖かったのかもしれない。
「まぁあれだな。気持ち伝えても彼女との関係は崩れないと俺は思うぞ。お前らめちゃくちゃ仲良しだし。俺はお似合いだと思うけどな」
「そう。恋…ね。あなた私と恋人になりたいということ?」
「うん…僕君の事が好き。大好き。これからもずっとずっと傍にいたいし、君の笑顔を守りたい」
「……はぁ。まさかあなたと恋人になるとは思わなかったわ」
「それって…」
「あなたの話を聞いて私も気づいたの、そういえばあなたがほかの女の子と話しているを見た時にモヤモヤしたの。それも嫉妬ってことよね。つまり私もあなたのことが好きってこと……」
彼女の顔は真っ赤だった。
とっても恥ずかしそうにしている彼女はすごく可愛かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます