第5話 彼の変化
彼女と出会ってからかなりの時間が過ぎた。
僕はいつも通り彼女と高校生活を満喫している。
彼が帰ってきてから、かなりの時間が過ぎた日のこと。
彼の様子がおかしくなった。
私は彼が用事があるから待っててと言われて教室で待っていた。そしたら先生に荷物を運んでほしいと頼まれて、荷物を運んでいた。
そんな時、
「手伝うよ」
その声の主は、私が持っていた荷物の半分以上を取った。
彼はクラスメイトだった。
その後特になんの会話もなく荷物を運び終わった。
「どうもありがとうございました」
「いいんだ。じゃあね。また明日」
彼は私に手を振って、どこかへ行った。
私はその後教室へ戻った。
彼はまだ戻ってきていなかった。
すると
「ごめんね。待たせちゃった」
彼の声がした。
「全然大丈夫。帰りましょ」
「うん」
彼は少し元気がなかった。
「ねぇ元気がないみたいだけど…どうかしたの?」
「えっ…!!別になんにもないよ」
「そう。それならいいんだけど」
これ以上聞いても彼は何も言ってくれなさそうだったから、私はこれ以上聞かなかった。
次の日、朝起きたら彼がいなかった。
何度連絡しても応答無しだった。
私は彼を探しに行った。
朝からお昼頃までずっと探したけど彼は見つからなかった。
どうしよう。このまま彼がいなくなったら。私…また1人になるの…?
そんなはず…ない…。
すると、彼は家の近くの公園にいた。
最初に来た時はいなかったのに。
「こんな所にいたのね。ずっと探してたのよ」
「……ごめん……僕」
「話は家で聞くわ。お腹空いてるでしょ?」
「………うん」
「どうして、いなくなったの?連絡してもなんにも反応してくれないし…私…寂しかったんだから」
僕は彼女を悲しませてしまった。
彼女は今にも泣きそうな顔をしている。
「ごめん…僕にもよく分からないんだ」
「そう…そういえばこないだからあまり元気がなかったみたいだけど。あなたが用事があるって言ってた日から」
「うん……」
「あの日。何があったの」
そうだ。僕が自分のことよくわからなくなったのはあの日からだ。
あの日は、放課後、校舎裏に来てほしいと書いてあった手紙を朝貰って、それで、放課後校舎裏に行ったんだ。そこで僕は、知らない女子生徒に好きだと言われた。付き合ってほしいと。僕はもちろん断った。そしたら何故断るのか理由を聞かれた。僕は答えられなかった。そしたらその子が彼女のことが好きなのかと聞かれた。僕はまた、答えられなかった。自分でも何故なのか分からなかった。
その後僕は教室に戻ろうとした時、君がクラスメイトと話しているのを見て、なんか心が辛くなったんだ。その理由も僕には分からなかった。
僕は彼女にその話をした。
「そう…」
「その後、君と一緒に帰ったよね?その時なんか心が辛くなって。君の事見ると心が辛くなってしまって」
「それでいなくなったのね」
「うん……本当にごめん。僕、君を悲しませてしまった。僕が自分のこと理解出来てないで…本当にごめん」
「もういいわ。謝らないで。その代わり約束して。もう二度といなくならないって
「うん。わかった。僕、君のそばにいるって約束したのに破っちゃった」
「破ったのならまた約束すればいいだけよ」
「そっか…ありがとう」
「でも、僕知りたいんだ。僕のこと」
そう。僕は知りたい。
僕の心のこと。
なんで答えられなかったのか、何であの時心が辛くなったのか、僕は自分のことをなんにも知らないのかもしれない。
「ごめんなさい。私も力になってあげたいけど…私にもそれがなんなのか分からないわ」
「…そうなの?」
「えぇ。それに知りたいという意欲もなぜかわかないわ」
彼女でも知らないことがあるのだと僕は思った。
僕はそこで思いついた。
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