遭遇

 始めは隣町のブルクスへ向かった。

町を出ると魔物と呼ばれる生物がウロウロしている。

人を襲うものは少ない。

むしろ食べ物をくれと近寄ってくる。

貴重な食料を魔物ごときにあげるわけがない。

無視しながら足早に隣町に向かった。


 すると魔物に囲まれて明らかに困っている少女がいた。

流石に無視するわけにもいかず、近づいてみた。


 少女の手にはパンがあった。

そう。腹を空かせた魔物がそのパンをよこせと迫っていたのだ。

とりあえず魔物を蹴散らかして少女の前まで行った。


「あ、あの…………」


人見知りだった。

何を話せばいいのか分からず、目の前でおどおどしてしまった。

少女も何か言いたそうだが僕の次の言葉を待っている。

魔物も腹を空かせた上に蹴られた怒りをこちらに向けている。

最大のピンチだ。

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