第33話 バタフライハント その4


城下町に着き、指定の宿で受付を済ませた。

カティアは別の部屋を用意されていたが、今回の件もありケイティと同室となった。

旅の者が広く利用するだけあって、部屋自体も申し分なく広い。

まして陛下が直々に用意したのだ、ドアにはしっかりとした鍵がついている。

「傷は痛む? 本調子でなければ警邏の兵を呼ぶけど」

カティアは首を横に振る。

彼女を襲った者は一筋縄では退治することは敵わない。

姿もなく傷をつけた夜の襲撃者と相対するには実力者が必要であると判断した結果、ケイティを訪れたのである。

ふたりは日の出とともに発ち、日の高くなる前にイルフとコンタクトを取った。

内容は襲撃の話と、ふたり一組で行動するべきだとバディ制の提案だ。

敵対する脅威の姿は依然分からないが、かなりの手練れである。

カティアが抵抗する間もなく攻撃されたとなればイルフは二つ返事でOKを出した。

「予定通り、イルフとアルフは北側を回ってくれているはずね。お茶を飲んだら私たちも行きましょう」

南側の警備を支援する彼女たちも、少しの休息ののち宿を後にした。

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