第28話 新たなる武器


「軽い……それにこの切れ味も。」

眼前にある木を数度斬りこむ。

すっ、と線を引くような軽い力で木は傷を増やしていく。

「この間の竜の歯と鱗を使いました。」

その硬度から加工に時間がかかり、ひと月ほどの期間を空けての完成だった。

「タクタス=オーバントも助力してくれたか?」

「いえ、あの人は整備が忙しいと仰って門前払でした。」

「竜だと言えば工具を捨ててでも来ただろうに。」

「下手に出るほどうちの隊は困っていませんよ、隊長。」

なるほど、ケイティは笑う。

隊がよい雰囲気に包まれているのを肌で感じているからだ。

竜鱗を加工し鎧を作るものも、悪戦苦闘しながらも楽しそうだ。

「竜はまだ生きているのか?」

「そのようです。隊長の指示あればいつでも。」

「実はな、この武器の完成を待っていたのだ。竜に会いに行く。」

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