第15話 処女×白羊 その5


この闘技場のルールからして、糸に身体を切られることはないだろう。

だが糸に触れた瞬間、試合が終わる可能性がある。

重力をかけるにも糸には大した効果が期待できないため、自分を軽く浮かせるしかない。

カティアは自分を軽くし、仰け反ることで糸を回避した。

そこに、針に結ばれた1本の糸が投げられた。

「弱点は重さを軽くしたとき触れたものも、更に触れたものまで軽くしてしまうこと。」

砂煙から勢いよくケイティが現れた。

「大振りの武器じゃどっちに対応するか選ばなきゃいけないよね。」

真っ正面から頭突きをするように。

カティアの言う通りの、しかし本人の予想だにしない正々堂々だった。

斧を振りかぶり、ケイティを斬った。

ケイティは軽くなった身体を空中でよじり、使い物にならない左腕で斧を防ぐ。

興奮しているせいか、痛みすら感じない。

斧の分早く落ちたカティアを飛び越し、短剣を持って糸を離した。

落ちた背中に乗り、その勢いを殺して寸止めする。

「試合終了ーーー!!」

ケイティはその声を聞いた途端、疲れからか眠ってしまった。

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