第14話 処女×白羊 その4


投げた糸はジャンプしたカティアには届かず、地面に落ちた。

ケイティはそこに風の魔法をかけた。

吹き荒れる風が闘技場に殺到し、砂煙とともに糸を巻き上げた。

カティアは糸を大振りで薙ぎ払う。

彼女に届く前にほとんどの糸が払い落とされ。

残った糸も風で飛ばされてしまった。


カティアはわかっていた。

ケイティはこの手合いの間で、小技は使うが砂煙で見えない相手を背後から刺すような性格ではないと。

堂々と勝ちに向かう人間と思うからこそ勝ちに自信があった。

糸をどう使うかなど考えるよりも、とどめを刺す方が早い。

闘技場全体に重力を押し付けて、勝ちだ。

早速重力を放った。

3秒ほど持てばいい。

斧を構えた空中、迫るものを見て減速した。

細い糸が張っていたのだ。

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