第12話 処女×白羊 その2


まるで喜劇のような行だが、誰も笑っていないか、ケイティは観客を見た。

むしろ静かになっていた。

彼らは平民出が、あの重戦車から万一勝つことができるんじゃないかと期待を込めていた。

いままでにない観客席を見て、皇帝も不穏であると感じていた。

ケイティは隙をついて暗器を投げた。

決して当たるとは思っていなかったが、成果を得ることができた。

カティアは一気に後方へ飛びのいた。

一瞬とはいえ、暗器が早く落ちるのを見逃さなかった。

あの攻撃は距離を縮めさせるためのブラフで、本懐は自らの周りに発生させた魔法を使ってとどめを刺すこと。

どうやら当たりだったようで、カティアは戦法を一気に変えた。

斧を振り回し上方へ高く跳躍、そのまま戦斧を振り下ろした。

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