第7話 処女×巨蟹
既に前の戦闘の後はなかった。
前にある鉄格子の向こうには土1色の闘技場が広がっている。
トーナメント表を見るより先に、真正面に相手の姿が見えた。
アルフ=アクベンス。
7の月。鉤爪を使う。
既に相手はこちらを照準している。
この格子が外された瞬間に飛びかかってくる、猛獣のような威圧感。
ケイティはもう一度自分の武器を確認する。
短剣2本、針などの小物の暗器。
あとは紐や糸などを幾つか体に仕込んでいる。
アルフは剣を3本、両手で6本。
下腕をすべて金具で固定し、その重さを制御している。
並みの筋力ではないだろう。
鉄格子が開く。
始めの合図まで彼が私を襲うことはない。猛獣のケージに飛び込んだケイティは、相手を屈服させる術を必死に考えていた。
「始め!」
ドラが鳴る数瞬早く、アルフは突進を開始した。
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