第35話呪いを解く儀式、その3
「鈴木大介は
男は大声で言った。
俺と麻由さん、スミレ、そして俺が声をかけた男はそろって、大型アンプの裏、スチールパイプで組まれたステージの横に回ってかろうじてコミュニケーションを取った。ここなら
「高熱が出て、顔の形も変わってしまった。意識も
男が鈴木大介の状態と現状を説明した。男は
「悪魔の呪いなんだよ、鈴木大介は悪魔に呪われているんだ」
男は
俺は少し
かなりの近くで太鼓を連打する音が鳴り響く。
「我々は鈴木大介と同じ大学の学生だ。友人だよ。そして勉強家でね。ネットで色いろ調べた」
男はスラックスの尻のポケットからスマホを取り出し画面を開いた。そしてどこかのサイトを見ながら説明を始めた。
「簡単に言っちゃうと
男は言葉を続ける。
「我々は今、悪い神、つまり悪魔の呪いを解く
宗教儀式か。ただのパーティーじゃないか。
「顔の形が変わったってどういう風に?」
麻由さんが口をはさんだ。真剣な表情だ
「左右の
男はそう言ってステージ上でぶら下がっている鈴木大介を
麻由さんは麻由さんでじっとぶら下がった全裸の男をまじまじと見つめていた。
「麻由さん、どう思う?」
俺は男から少し離れて麻由さんと話し込んだ。
「医者である私としては血液検査をしたいところね……でも……たぶん彼、おたふく風邪だと思う」
「どういうこと?」
「おたふく風邪は子供だけの病気とは限らないわ。ムンプスウイルスの
「じゃあ、おたふく風邪は悪魔の呪いじゃないんだね?」
「当たり前よ」
麻由さんがいとも簡単に悪魔の呪いのタネ明かしをした。
俺と麻由さんが男の元に戻ると彼とスミレが目玉焼きには
「これからの儀式の進行予定は?」
「鈴木大介を
「それは誰かに教わったの?」
「ネットで調べた」
「幸運を祈る」
俺は心からそう思った。
俺、麻由さん、そしてスミレは
俺たちは13番倉庫の出口を急いだ。もう俺の用事は終わった。リリアからもらったナイフは
奥のステージで火の手が上がるのを確認して、俺たちは13番倉庫を脱出した。
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