第32話すべてが明らかになる、その2
「大介に対しては教育の
「マッシュ君、我が息子の大介を殺害してくれ」
俺は驚かなかった。あの駐車場で
「大介の存在は鈴木屋コンツェルンにとって致命傷、奴がいると事業の存続は不可能だ。悪いが大介には死んでもらう」
俺はそう言う
「その仕事を
車が有名なコーヒーショップ前の交差点で赤信号に
「今、大介は鉄道駅近くの、ある倉庫でひと
CEOが後ろを振り返り、初めて俺を見た。
「いいよ、俺が大介とやらを殺してやる。ただし条件がある。その大介が所有しているパソコン、スマホをすべて俺に
「わかった」
俺とCEOの間で
「マッシュ、やるの?」
「ああ、俺は今までもこうやってパトロンを
スミレが心配そうにしている。俺は後ろからスミレの肩に手をかけた。とにかく安心して欲しかった。
「俺は何をすればいいすか?」
俺たちのやり取りを
「キミには小野田の自宅にあるすべての家財道具を処分してもらおう。住所については調べが付いている。万が一顧客データをコピーされていては
「わかりました」
瑛太はそう言ったあと、俺を
「一つお願いがある。俺の親父の内縁の妻が女医をしている。大介の殺害方法で相談をしたい。彼女が利用してるSNSのアカウントを教えるから俺の元に呼び出しておいてくれ」
俺は腰のホルダーケースからスマホを取り出してCEOにアルファベットと数字の
俺たちを乗せた赤いワゴンカーは鉄道駅近くの倉庫街に到着した。貨物列車でジェリービーンズタウンに運ばれてきた農作物や、工場で使用される電子部品、鋼材が遠くからここに集まる。
その中にCEO名義で所有する大きな倉庫があるらしい。
大介がそこにいる。
「スミレ、俺がルリの
「私も行く」
俺は赤いワゴンカーを降りて大介がいる倉庫へと向かった。あとをスミレが付いてくる。
周囲は学校の体育館のような倉庫がいくつも規則正しく並んでいる。俺とスミレは、記憶力のテストを受けるハツカネズミのように、倉庫群が作る迷路をさまよった。
俺は、腰の右後ろにぶら下がったシザーケースに包まれたナイフをポンポンと手で確認した。
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