第16話愛することを憎め、その1
ーーーあなたは私の息子ですか? 父ですか? 元気ですか?
今朝、俺のスマホにメッセージが届いていた。差出人がわからない。SNSではなくメールでだった。
ジェリービーンズタウン中心部への通勤通学には困らない場所にある住宅街に、マンションが建っている。
例の売春組織がこのマンション
ーーー今、D−7は普通のマンションだよ。
先日、キリトはメールでそう伝えてきた。
天気は
古いマンションはオートロックでもなく管理人もいないため俺はフリーパスで中に入った。こんな安っぽいセキュリティーでよく警察にバレないもんだ。足の下は黒い
エレベーターがない。俺は階段で一番上の五階へ上がった。今朝飲んだ味噌汁と緑茶が汗となって肉体から吹き出す。
俺はキリトがいるという505号室のドアの前に立った。
「愛することを憎め、憎むことを愛せ」
ドアの目の高さには黒のマジックペンによるイタズラ書きがある。
俺はインターフォンのボタンを押した。
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