第13話嵐の予感

 スマホをチェックする。

 通信会社、アパレルショップ、ネットバンク、通販サイト、キュレーションメディア。昔の仲間、今の仲間、昼間の友、夜の友、顔を知ってる奴ら、顔を知らない奴ら。チェック、チェックスルー、返信、削除。


 スミレとメッセージのやり取り。

至急しきゅう会いたいんだけど」

「なんかあった?」

「会って話す」

「いい予感がしないんだが」

 そのあとスミレから待ち合わせの日時と場所の指定があった。


 夜、自宅リビングルーム、ソファー前のテーブルに俺は腰掛けスマホを見ていた。マナーの悪さは許してほしい。俺はそのままの姿勢で顔を上げ、考える。


 漠然ばくぜんとした不安。


 よく自分のことを雨男もしくは雨女となげく奴がいるが、それは間違っている。実際一人の人間が天気に影響を与えることはまずない。ある雨男もしくは雨女を中心に地球の気象が動いているわけではないのだ。すなわち今のところ誰にも天気はコントロールできない。

 俺は自力ではあらがえない嵐に巻き込まれる予感がした。

 

 ルリのことが関係してるかもしれない。

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