ホモ・ルーデンスが歩いている

 休日のある日、何の目的もなく駅前に出てみました。


 ホモ・ルーデンスが歩いています。あちらにはホモ・ファーベルです。

 ポリス的動物もわんさかと集まっていました。世界内存在イン・デア・ヴェルト・ザインや万物の尺度もいますね。少しは境界人マージナル・マンもいるでしょうか。

 間柄的存在がスマホをいじっているようです。世人ダス・マンとの待ち合わせの時間つぶしでしょうか。あるいは象徴的動物アニマル・シンボリクムを待っているのかもしれません。

 小宇宙ミクロコスモスが自転車に乗って目の前を高速で駆け抜けていきました。危ないですね。向こうでは老いた神の似姿にすがたが空き缶を拾っています。

 考える葦がティシュを配っていますが、偉大と悲惨の中間者はそれをスルーしました。

 そんな中、知恵あるヒトホモ・サピエンスな私は思うのです。


 どれが誰の思想か全然覚えていない、と。ポリス的動物がアリストテレスなのと考える葦がパスカルなのくらいはわかるんですが。

 確か高校の倫理の教科書か資料集に載ってたはずなんだけどなあ。受験の時には覚えてたのにー。不思議なことに思想家の名前だけすっかり忘れてしまっています。

 あ、でもミクロコスモスと神の似姿は載ってなかったかも、ちょっと毛色が違いますしね。

 もちろん、ホモ・ルーデンスだのファーベルだのは、我々人間のことを指して言った言葉です。

 遊戯人ホモ・ルーデンス工作人ホモ・ファーベルですね。どっちかが確かホイ何とかだったような気がするんですが、勉強不足ですかねえ。由々しきことです。帰って調べましょう。


 さてさて、今日の私は遊戯人ホモ・ルーデンスですよ。のんびりまったり遊び倒すとしましょうか。

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