隼と龍と蓮也 闇と光と鍵
龍は、最も西の異世界西の果に飛ばされた。龍は仲間を作り、ダンジョンを攻略した。だが、西の果には、もっと多くの18歳が送り込まれていた。今回のゲームでは、西、東、北、南の果てに、均等になるように18歳を配置したのだ。そんな中で、西のブロックは、魔王の直接的管理がなかったがために、モンスターは凶暴化し、どの果てよりも厳しいブロックだったのだ。そんな中、龍とは対照的に、一匹狼として生き残った天才がいる。それが、加藤 シュンだ。シュンは、高校に入ってから、グレていた。中学では優しく、明るい生徒だったが、ある事をきっかけに、グレたのである。頭はそこまで良くないが、腕っ節が強く、背が高い。悪さをする時だけ、異常に頭が冴える。そんなシュンのスキルは、
「あらゆる水分を沸騰させ、蒸発させる」
サバイバル7日目 朝5時
シュンの朝は早い。彼は朝起きて、直ぐに東へ向かう。もうシュンは、西の果を見たあとだった。龍達がダンジョンの外に出た時、モンスターが居なかったのは、シュンが全てのモンスターを倒したからだったのだ。丁度シュンが西の果を去った1時間後に、龍たちがダンジョンから出たので、2人はお互いの存在を知ることはない。
とにかく、東へ進むこと3時間。そこでシュンは、ある男と出会う。高田蓮也という、自分と同じ18歳でこちらの世界へ来た少年だ。彼はレンと読んでくれと言っているが、もとより一緒にいるつもりもないので、シュンはその場を立ち去ったのだ。だがレンは、シュンのあとを追っていく。シュンにとってはいい迷惑だ。
「付いてくるなぁ!」
「いいじゃん。減るもんじゃないし。」
レンは余りにもしつこいため、シュンも諦めて、「勝手にしろ」と、言ったのだ。
その時、三つの影が、彼らの上を高速で飛んでいったのを、蓮也は見逃さなかった。
今、ゴブリンの村に、大きな危機が迫っている。それを龍たちが知るのは、一時間後の話である。
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