謝辞
まずは、このたった1話しか存在しなかったエタ創作論に8000PVという数字をつけてくださった皆様方に感謝を。
中には書籍化された方がその足跡を残していてくださったりして、僕としても非常に嬉しく思っております。
今後とも、誰かの役に立つ何かがここにあることを願うばかりです。
あ、以降不定期的に更新します
時間できたし、聞きたい人多い気がするので。
少しだけ自分語りをさせていただければと思います。
僕はこのカクヨムというサイトがオープンした時からここにいますが、ずっと作者として活動していたわけでもありません。
第一回カクヨムコンのファンタジー部門で最終選考に残れたのは、母数が少なかったゆえの幸運だと今も思っています。
ただ、あれだけまだ小さいサイトだったのに、僕を応援してくださる方が一定の数いたことも確かです。
少しずつではありますが、時間が取れるようになった今、そうやって僕に目をかけてくださる方がいるということを思い出しながら小説を書く日々です。
この7年、小説で少しだけ実績とも言えない何かを手に入れた僕は、書く側よりも読む側が向いていると判断して、編集者を目指していました。
幸いなことに複数の大手出版社様でお仕事を経験できたので、いっぱしの小説編集者を名乗るのに最低限のもろもろを手に入れることはできたかと思っています。
そして、会社つきの編集者として僕が求められる人材でないということも、ある程度の確信と共に理解しました。
僕は作家さんと話をすることはできるし、その作品をよくすることもできます。別に締め切りを破ったこともなければ、連絡を怠ったこともありません。
しかし、その作品を売れるものに仕上げるのは並にしかできませんし、もろもろの外圧と戦いながら沢山の方のチャンスを背負うには無責任すぎました。
いえ、社会的に言えば僕は勝手に責任を負いすぎているだけなのですが、作家さんの人生すら背負えず何が編集者か、という自信過剰な持論を最後まで捨てることができませんでした。
思い詰めすぎた果てに、僕は一つの結論を出しました。
編集人としてのスキルは、それはそれ。編集者はもうビジネスとしてしか商わない、と。
僕は職を辞し、今はフリー編集として、知り合いとの仕事や小規模な案件だけを対応しています。
編集者として、商業で万人に夢を見せる側になることは諦めました。
いえ、正確には、昔から僕のやりたいことは出版社に入ることで達成できることではなかったのかもしれません。
権力を持つまでに勤め上げれば何かは変わったかもしれませんが、それまでの間に僕が変質することの方を恐れたと言ってもいいでしょう。
結局は僕が臆病だっただけの話です。
そんなわけで、くっそネガティブな話をしましたが、今は日々の糧を得る以外の時間を比較的自由にさせてもらっています。
仕事をしているか飯を食っているか寝ているだけだった、編集者時代に比べてはるかに人間的に有意義に暮らせています。
誰かのために生きるのは本当に楽しいことでしたが、それだけでは人間生きていけないのだなぁ、と実感しましたね。
なので、次は逆のことをしたくなりました。
僕の半生において、物語は常に隣にありました。
幼稚園の頃から絵本を読み漁り、小学生になれば図書館籠り。
中学生でラノベを見つけて、高校では書きなぐるようになり、大学では文芸を学びました。
そしてWEB小説との出会いからもう15年が経とうとしています。
ここまで読まれた方は薄々わかっているやもしれませんが、僕は非常に頭でっかちで、感情よりも理論で物事を語るタイプです。
語れるのならば、自分が編集者として社会人として生きていくのに向いていないと気づいた時の慟哭を絶望を諦念を、いくら書いてもいいのでしょうが。
あいにくと僕の理性はそれを記すことを許してくれません。
そして、それは僕の譲れない一線でもあります。
だから、僕は思いました。
そうだ、小説を書こう。
小説は自由です。
世界はいつだって優しくて、主人公は好きに振舞って、ヒロインは可愛くて、運命はいつも自分の手の中にある。
ノンフィクションで書けないことを、どれだけ書いても許される。
そんな、狭い狭い世界の神様になる。
それが、こんな自分が出来る最大のことなのではないか、と。
この広い世界において、僕はたった一人ぼっちですが、創作の世界では必ずしもそうではありません。
必ずどこかに読者さんは存在しますし、応援してくれるファンの方たちがいる。
それは、どれだけ独りよがりに書かれた物語だろうと、当然に持つ権利なのです。
創作は平等です。
何を書いてもいい。
自分が楽しいものを書く。自分が欲しいものを書く。
誰かに見せたいものを書く。誰かが笑えるように書く。
ちっぽけな嘘で喜んでくれる人がいるのならば、その創作には無上の価値があるでしょう。
幸い僕には才能がありました。
書き手としてある程度の力があるという証明。
編集者を経験したからこそ、みんなが何を求めているのかわかるという眼力。
そして、これだけは絶対に譲らないという絶対の作家性。
僕は今はまだ無名の作家であり、木っ端の編集者です。
ですが、僕という作家は、僕という編集に見初められたプロの卵でもあるのです。
やれるのならば、やるべきでしょう。
立ち止まる理由がどこにあるのか。
道行きは均されておらず、躓くことも多いでしょう。
でも、立ち上がらないことには、いつまでもどこにも辿り着くことはないのです。
後悔するのは、終わってからでも遅くありません。
先に立つものは後悔ではありません。惰弱な諦めです。
結果が出た時こそが、終わりにふさわしい。
その時に笑えるように、僕は歩き続けます。
誰に後ろ指をさされて、どれだけ迷惑をかけようと、どんなに辛くたって。
それらの人と同じだけ、笑ってくれる人たちもいるのだから。
これは僕の決意表明であり、これを読んだ人たちへの挑戦状でもあります。
僕はこれから、人生で手に入れた全ての創作論をもって出版業界をハックします。
そして、その錦の御旗をもって、この場で創作論を語るのです。
すべての読者と作者が笑える世界のために。
僕はこの身を薪にくべましょう。
激論結構、お気持ち上等。
さぁ、ちっとばかし長いプロローグはもう終わり。
そろそろ始めようぜ?
なろう系だろうが、本格ファンタジーだろうが、全員黙らせた奴が勝ちだよ。
あんたの作品で、ねじ伏せてやればいい。
俺はそうする。
あんたも好きにしなよ。
寝暗幻想曲の徒然文章読本 雨後の筍 @necrafantasia
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