~大中小の救世主たち~ ②

 

というわけで


「は、はい……! ぜ、是非!」


 私も初めて出会えた“仲間”とパーティを組むことになった。


「アイカ、まずはアタシ達の戦艦うちに帰るわよ」


「はいっ」


「あ……そうだ、アイカ、パーティになったんだし

これからは敬語、使わなくていいわよ」


「そうそう、俺もアイカちゃんと普通に話したいし」


「やけに嬉しそうだなマイキー」


「おうよー、ライト。だって女の子が増えたんだぜ?」


 ひゃっほいと、わかりやすいマイキー。明るいなぁ。


「はいはい、まずは帰るのっ! ルミナ、応答して」


 ルミナ……?


 通信機に向かって、リーナが確かにルミナと呼んだ。


『はいはーいっ』


 “ヴゥンッ”と音を電磁波音を立てて

 映像が私達の目の前に現れた。


 あっ!

 やっぱり、そうだ。

 この人……新規登録するときに映像に出てた……!


「今から帰るわ。

 あ、それから、一人仲間がふえたよー」


 イェーイと、リーナは画面のルミナに向かってピースサイン。


『あ……! アイカ!

 はじめまして……じゃないかぁ』


 てへっと、笑っているルミナ。


「え、お? アイカちゃんとルミナっちと知り合い?」


 マイキーは楽しそうだった。


「え、う、うん」


「そっかぁ、やっぱり皆ルミナっちと知り合いなんだなー」


 どういうことだろう?


 はてなマークを浮かべていたら


『あ、ごめんね、帰還だったわね。転送作業に入るわ』


 すぐに、足元に眩しく蒼白く輝く、“ゲート”が登場した。


 うっわぁぁぁ……!

 すっごいんですけど……!!

 これ、本当に人を転送できるのかな……!!


 あり得ないはずの全てのものを目前にして

 私はただただ感動するしかない。


『準備完了よ。皆、乗って』


 乗る瞬間に、


「改めて、よろしくね、アイカ」


 リーナが私の手を引いて、ゲートに引き込まれる。


「びっくりした顔してんなよ、アイカ」


「アイカちゃんは可愛い担当決まりだねぃ」


 画面越しじゃないから

 すっごく緊張してるのに。


 なんだろう、この温かい気持ち。


 私はきっと、この優しい笑顔の人達を

 ずっとずっと、忘れないだろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る