チーム・ルナシス

第4話 ~大中小の救世主たち~ ①

 巨大ミミズに、華麗に斬りかかっていく、大きな男。

 すごい、あの大きな人、あんな高い所までジャンプしてる……。


 え、違う、空気を……!?


 無駄のない動き。

 斬りかかるだけで、まばゆい閃光と、

 そして地に落ちていく、ドロップアイテム。


 凄い。

 これを今、画面越しじゃなくて、直接……見てる……。

 夢みたいだけど、夢じゃない――。


 巨大ミミズの下で、小さな男の人と

 女の人がアイテムを拾っていってる。


 速い。


 あっと言う間に巨大ミミズは倒れ、

 デジタル化されたようにぼやけ、消えていった。


 こ、怖かったけど……。


 助かった――――……!



「お疲れ。ライト。うん、今回もレアは無ぁしっ!」


 拾ったドロップアイテムもデジタル化されたようにして消えていく。


「まじかよー。今回もハズレか」


 首を、ゴキッっと音を鳴らしてる大きな男。


「……ちょっと待って」


 あ、あの女性ひとと目が合った……。


「あ、のっ……はじめまして……!

 助けて下さって、ありがとうございました!」


 どうしよう、こっちに来たぁ……!

 そんな走ってこられたら緊張する……!


「やっだぁ可愛い、とっても緊張してるわこの子」


 若く見えるのに、話し方が年を感じるなぁ。


「えっと……もしかして、あなた一人?」


「あ、はい……!」


「窓口に居たの、ゼロよね。あいつ、新人をこうやって放り込んで

 どこかのチームとパーティ組ませるやり方すんの。

 あたし等も体験済み」


「えー……! そ、それって、新人皆にするんですか?」


「らしいわ。ほんとドSよね、あの窓口のヤツ。

 まぁ……あたしの時はライトも、マイキーも

 偶然その場に居たからよかったんだけどね」


 ゼロさん……。本当、あなたって人は……。



「お、気に入ったみてぇだな、リーナ。もう仲よさ気じゃん」


「もっちろん。ね、名前教えてよ」


 ぐっと、リーナっていう女性が私の顔を覗き込んできた。


 わ、び、美人さん……!!

 そして、男性陣も皆顔整ってるんですけど……!!

 なんてところなの、ギャラクシーウォーここは……!!


「えっ、と……。アイカ、です……」


 どうしよう、美人な人にこんな至近距離で顔近づけられたことないから余計緊張する……!


「あっはは、緊張しちゃってぇ、この子……。

 あ、じゃなかった、アイカ。本当可愛いわね」


「あ、はぁ……ありがとうござい、ます……。

 か、可愛くないですから……!」


「やっだぁー、かーわーいーいっ!」


 う、わ!

 だ、抱きつかれた!

 しかも力強いよ……!


「そこまでにしとけよ、リーナ。明らかにこいつ緊張して汗見えてるぜ。

 俺はライトだ。よろしくな、アイカ」


女の人がリーナで、大きな男の人はライト……。


「ほんと、でもリーナにいきなり愛されるってすごくいい人材って感じじゃん。

 俺はマイキー。よろしくね、アイカちゃんっ」


 近づいてきた、私より少し背の高いこの人がマイキー……。


 リーナはやっと私を開放して


「さぁてとっ、これも何かの縁だよねぇ。

 アイカ、あたし達の“パーティ”に入らない?

 あ……言葉が違ったわ、入って!」


「俺も、歓迎だ」


「おぉっ、リーナ、積極的ぃ。俺もアイカちゃん入るの賛成ーっ」

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