~ログイン=生きはじめる?~ ②
「グォォオオオオオオオオ!!!!!」
え。
なにこの、巨大ミミズに、巨大なキバが生えそろった生き物!?
首ゆらゆらして
うわっ、何か口から出てるんですけど――――――!!??
声にならなかったのが幸いで、まだこちらには気がついて居ないようだ。
ふぅぅ、と音を出さないようにため息をつくと
びちゃっ――――――――
「うっ、わっ」
何かが飛んできたと思って、反射的に後ろへ飛び退く。
足元に飛んできた液体。
シュゥゥゥ……という音を立てて、煙までもが上がった。
飛びのいた音と、そして声に、その巨大なミミズの動きが静止した。
「え?」
どうしたんだろうと思うや否や、
次の瞬間、巨大ミミズの首がこちらに向かってきた。
速度はそこまで早くは無いが、あまりの巨大さに迫力が半端ない。
「うっそぉおおおおおおお―――――――!!!」
転送された後、周りを見渡すが誰もいない。
仲間がどうのって言ってたから、
誰かが居るかと思ってたのに!!!
誰も居ないところに放り込むってどういうこと!!??
「え、ええええ――――――――!!!???」
に、逃げなきゃ!!!
必死に走って物陰を探す。
ピピピッと、狙ったかのようにポケットから音が鳴る。
探って取り出すと、スマートフォンへ着信が。
ゼロの顔が映し出されている。
走りながらも、通話ボタンを押す。
『あっ、よかった、アイカさん。ゼロです。
すみません、武器の設定、防具の設定をしていなくて』
「ちょ、ゼロさん!?
いや、そんな事よりも誰も居ないの!!どうにかしてくださ―――!!」
そう話している瞬間、全身に電磁波を感じ、
気がつくと、急所部分を守るための、宝石のようなものがポイントに着いた、
これもまたおしゃれな防具達が装備されていた。
そして手には、ロングソードがいつの間に握られていた。
『これでもう安心ですね。では、検討を祈ります』
と、強制的に通話は途切れた。
え
「ちょっと待ってよゼロさぁああん!!!」
防具があったって
武器があったって
「こんなのをどうやって倒すっていうのよ―――!!!
画面越しと違うんだぞコラァアアア――――!!」
必死に叫んで居ると、
足元の段差に気がつかず
ついに
ズッシャアアアア―――!!!
ダイナミックにスライディングして転倒。
上半身を懸命に起こすが、巨大ミミズはもう目前まで迫っていた。
「ひ、ぇ……!」
どうしよう、怖い怖い気持ち悪い、怖い―――――!!!
足がっ……!!!
どうしよう、動かない――――――――!!!
誰か―――――!!!
助けて―――――――――!!!
強く願ったその時。
目の前の空間が、まばゆく光った。
「転送完了っと」
小さい体。鼻歌混じりの男性の声。
「ってなんだよ~!今度のレイドボスも弱ぇなー」
大きい体。これもまた男性の声。
「そう言わないのっ。皆、今回も稼ぐよー!」
丁度中間の体。女性の声だ。
「「おうっ!」」
大中小、男女混合の3人のグループが瞬時に到着した。
その3人の、ただならぬ活気を感じる背中を、ただ、ただ
救世主を見る眼差しで
息を呑んで眺めた。
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