第5話 大前提の次に必要な前提

 私の中では、大前提の次に前提。その次に基本。その次に応用。と言った番付があります。算数で例えると、まず、1、2といった数字を覚え、その次に足し算、引き算、掛け算、引き算の仕方。その次に早く、簡単に、正確に計算できるようになり、最後に小難しい方程式を覚える、みたいなイメージです。実際の文法的にこれが正解かは分かりませんが、このエッセイではこんなイメージで書くことを前提にします。今回の題名も”前提”についてですし。


 前回は大前提について書きました。心構えが大切ってやつです。

 今回書く前提は、ぶっちゃけてしまうと至極当然のことについてです。

 ズバリ、”小説を知る”です。

 小説とはなにか。多分wikiで調べれば出てくるぞ。さあ調べるんだ。私は面倒だからいい(キッパリ)。

 ……そんな冗談はさておき、小説とは、評論や伝記とは違う内容で、歌や詩とは形式の異なるもので、現代小説とは別物扱いされるのが一般的。だそうです。うん、なんとなくわかった。

 一口に小説といっても様々なものが存在します。作者が考えた物語を書いたもの、という概念だけでも、長編ものや、短編の物語3~5つほどが一冊に纏まったもの、ショートショートなどがあります。そんな様々存在する小説ですが、元を辿れば、「ドン・キホーテ」に行きつく、という見方が割と有名です。その気になって調べないと知りえないことではありますが(私もたまたま知りました)。


 とりあえず、小難しい内容はこれくらいにして、次に、小説の読み方についてです。大きく分けて3つの読み方があります。

 一つ目は、ストーリーを重視して読む。所謂、普通の読み方です。

 二つ目は、登場人物を重視して読む。所謂キャラ読みと呼ばれる読み方で、漫画などでよく使われる読み方ですね。

 三つ目は、その小説に使われる文法や技法を見る読み方です。最近の私はこの読み方を意識して読んでいます。長続きしないけど。

 これだけだと、ちょっとわかりづらいですよね。というわけで、一言感想を例にしてみましょう。前半2つを言い評価、後半2つを悪い評価で書きます。

 一つ目は、「世界観に引き込まれる内容でした」「私もこんな恋がしたい!」「ご都合主義な展開であんまりおもしろくない」「あの伏線いらなくね?」

 二つ目は、「〇〇に惚れた!!」「あの場面の××がイケメン過ぎてやばい」

「△△キモッ」「結局、□□はなにしたかったんだ? 無駄じゃね?」

 三つ目は、「比喩と擬態語の使い方がよくて、この場面の神秘的なイメージをうまく表現できていた」「そんな書き方させると続きが気になってしょうがない」「ドカーン、って書かなくても、”爆発音が轟いた”で十分だとおもう」「このページのこの部分、”小説”の文字が”小生”になってた」……みたいな感じです。

 どの読み方がいいとかは、ぶっちゃけありません。むしろ、一つの小説で3通りの読み方が出来ると考えましょう。お得感満載でしょう?


 最後に、小説の書き方です。これも、プロット派とライブ派という大きく分けて2つのパターンがあります。

 プロット派の私は、まずおおまかなストーリーを頭の中で思い描きます。だいたいの場合、リラックスしたときにストーリーは思いつきます。お風呂の時とか床についた時とか。そういったタイミングって、大抵一人の時ですよね? そのタイミングで、キャラクターの動きを思い描きます。実際にポーズをとってみるのもアリです。一人だから恥ずかしくないし。最後に、実際に文章にします。書いていて詰まった時は、一旦筆を休ませるか、その先の展開の展開から書き始めます。私の場合、取り敢えずセリフだけ書いたりもします。

 ライブ派は、我が師匠(1話参照)有川 浩さんが得意とする書き方で、登場人物たちはこの展開ならこう動くだろうな、このキャラクターは性格的にこうするよな、といった風に書くやり方で、物語の設計図であるプロットを書かない、あるいは少ししか書かず、キャラクターたちにその後の展開を一任するやりかたです。……う~、なんとなくイメージはつくんですけど、いざ言葉にすると難しいですね。

 どちらがいいかと聞かれれば、プロット派のほうが設定に矛盾が生じにくいためおすすめです。説明しやすいし。ですが、ライブ派のほうが絶対書いてて楽しいです。楽しいと思って小説を書けば、内容も良くなりますし。ただ、キャラクターが好き勝手に動きすぎて展開が進まないこともあるようです。

 結局は、自分が書きやすい方法で書くのが一番なのですが、たまには違う派の書き方をしてみるのもいいかもしれません。あるいは、三つ目のパターンを作り上げるというのも、夢があっていいかもしれませんね。

 

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