第49話
「これ、セレクトアイテムなんですか?」
ふつうの腕輪にみえる。
「秘密にしてごめんなさいデス……、実はいえなかった理由あるデス」
「なんですか?」
「それは――、説明書をなくしちゃったから、使い方がわからないんデス!」
「へーそうなんだ――、ってえええええ」
「本当にごめんなさいデス」
テッシちゃんは頭を下げる。
「っていうか、説明書とかあったのかよ……」
「ヤキソバ殿もそうなのかのう。困ったもんじゃ」
「いや、まだ、なくしたとはいってないですよ。フェリリさん説明書どうしました?」
「すてたナノ」
「なんでだよ! フェリリさん!」
「なんでって、『セレクターのひとく情報をまもるため』って、ヤキソバが捨てるよう指示したから……。もう読んだのかとおもって、ガイドブックと一緒に」
「そうでしたっけ……」
「仕方ないなあ、生命力つかって調べるナノ」
「ありがとうございます」
「いや、調べるのは『テッシちゃんの方』ナノ、ヤキソバのはふつうに使えるからね」
「わかってますよ」
「いっとくけど、わしは説明書をなくしてないからのう……」
フェリリは巻物でしらべている。
「出たナノ! あれー?」
「どうしたんですか?」
「なんか、『編集中……』って出てるナノ」
「なんだよそれ……、だれが編集してるんだよ」
「きっと、フェリリさんと同じ妖精さんデスよ」
「埋めあわせに、カゲヤマさんの説明書みせてくださいよ!」
「なんでじゃ……、しかたないのう。ちょっとだけじゃぞ」
みせてくれるのかよ。
カゲヤマはそでの中から、説明書をとりだす。
「わー、カゲヤマさんのそでの中、いろいろ入ってる」
マヤさんは、カゲヤマさんのそでの中、に頭をつっ込んでいる。
「あんまり、みないで欲しいんじゃがのう」
「いやー、ほんとすごいよ。これー」
「マジかよ」
俺はカゲヤマの、そでの中を見ようとする。
「お、おぬしは見るんじゃないっスケベッ」
「す、すいません……」
なんでだよ……。
「カゲヤマさんのセレクトスキル、すごいですよ。サブの成長率二倍ってあるデス」
「実はしってる」
「なんでデスか?」
「路地裏のときに、しらべたんだよね」
「そうだったデスか。あと潜在能力+二五ってあるデス」
えっ嘘だろ。
「テッシちゃん、ちょっとみせて」
マジだ。
潜在能力+二五。
マジで書いてありやがる。
なんてこった。
「カゲヤマさんが、俺のをパクった……」
「なんでじゃ! 何のはなしじゃ!」
「俺、転生のときのステふりで、潜在能力に二〇ふったのに……」
「よくわからんけど、何かすまんのう……」
「わたしはちゃんと、MP+一万に合うように、魔力と知力にふったもんねー」
「マヤさん、抜け目ないですね――、え?」
あれ?
ちょっとまて、今なんていった?
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