復活の妹編

第48話

 八月三日、一陽六時。


 俺は目がさめた。


 背のびをすると窓をあけ。


 窓の外についている、モンスターよけのカバーを外した。


 とんとん。


 ドアをたたく音だ。


 誰だよ。


 俺はねんのため、武器をうしろ手にもってドアを開けた。


 兄貴やチンピラの組織に、狙われていることを忘れてはいけない。


「おはー」


「お、おはよう」


 マヤさんか。


 昨日、マヤさんはテッシちゃんと一緒に、カゲヤマさんの部屋にとまったんだったか。


 しかし、アポイントメントを取ってから、きてくれよ。


「なにしてんの?」


「特には何もしてないですね。でも、これから歯をみがきにいこうかなと」


「わたしもいく」


「じゃあ、カゲヤマさんも誘ってください」

「うん、わかった」


 二人きりだと気まずいからな。


 フェリリは寝てるし。


 このさいだ、妹もこの宿の住人になってもらおう。


 ――――


 宿の洗面所で歯をみがいていると、カゲヤマさんとマヤさんがきた。


 カゲヤマさんは、また水玉のパジャマを着ている。


「おはようございます」


「おはようじゃ」


「おはよー」


「マヤさんはついさっき、あいさつしましたけどね」


「ヤキソバさんは朝あった同じ人と、昼に出会ったらあいさつしないの?」


「まあ……、そうかもしれないですけど」


 なんか違くね?


 いや、あってるのか?


「それでさー……、あのー」


 マヤさんは、何かをいいたげだ。


「その先は、わしからいおう」


 ――すこし会話がとぎれた。


 なんだよ。


 言うんじゃなかったのかよ。


 俺は、口にみずをふくむ。


「実はマヤ殿は、この宿に住むことになったんじゃ」


 俺は洗面台にみずを、ゆっくりとはきだす。


「そうなんですか。住民がふえてうれしいですね」


 このひと絶対。


 まえに俺がやった、水をブーっての狙ってただろ……。


 カゲヤマさんは手をグーにして、親指をたてている。


 マヤさんがしたを向いて、ブラッシングをしてるのを見て、俺はうなずいた。


 とりあえず、カゲヤマさんナイス。


 たぶん、テッシちゃんも協力したんだろうけれど。


「今日の予定はどうするかのう」


「じゃあ、わたしの引っ越しの手伝いしてよ」


「わかりました。手伝いましょう」


 ――――


 一陽の十三時。


 マヤさんの自宅に、テッシ以外のみんなが集まっていた。


 そこに、最後のひとりのテッシがやってきた。


「おそくなりましたデス」


「いや。みんな、今来たところだよ」


「じつは遅れた理由としてはデスね、ちょっと悩んでいたからでして。持っていこうかと――」


「なにを?」


「これなんデス」


 小声でそういうと、テッシは銀色の腕輪をとりだした。


「なんですかこれ」


「これ、実はセレクトアイテムなんデス」

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