第46話

 俺は呆然としていた。


 終わった……。


 俺は這いつくばりながら、ガーゴイルを見上げていた。


 だがそのとき、後ろから声がきこえた。


「灰じんと化せ――パイロフレイムセカンド! パイロピラー!」


 俺はふり返る。


 マヤだ。


 マヤは唱え終わると、つづりの一番下の一枚をやぶり取り、右手でにぎりつぶした。


「やっぱり、このパーティはわたしが主役だね!」


 右手の中で、スクロールは青白い炎をはなち。


 燃え尽きると、ガーゴイルの真下から炎が湧き上がる。


 ガーゴイルは水のたてを出すが。


 炎は、ものともしないように、ガーゴイルを包み。


 敵は、無個性なさけび声をあげながら、ドサリと地におち黒ずんでいく。


「せ、セカンド?」


「うん、セカンドスキルだよー」


「なんだよそれ」


「セカンドスキルは、『連携に参加したときに、使ったスキル回数』を一定回数だけ使用した戦闘で、使えるスキルだよ。」


「パイロピラー マジック セカンドスキル

 パイロフレイムのセカンドスキル。パイロフレイムを二回で発動可能。 

 BP二一〇〇〇でこうげき レンジ四

 対象の周囲二レンジ、上四レンジで、円柱状に範囲こうげき なの」


 マヤのパイロピラー、ガーゴイルに 六九三〇ダメージ。


ガーゴイル LV七〇  HP    〇/一四〇〇〇 BP六〇〇〇

 ヤキソバ LV一九  HP    〇/ 四二九〇 BP二六三〇

 テッシ  LV一九  HP    〇/ 三七二〇 BP二七七〇

 カゲヤマ LV一九  HP    〇/ 四一〇〇 BP二五〇〇

 マヤ   LV一三  HP 二六四〇/ 二六四〇 BP一一七〇


 なんとか勝ったか……。


「ありがとうございました、マヤさん。助かりました」


「へへーん。これパイロフレイムのスクロールを買ったときに、一枚おまけでついてきたんだよね。MP消費も一五〇〇くらいするんだ。すごいでしょ」


「みんなセカンドスキルって、知ってました?」


「スクロールはお金かかるから、前のパーティだと使ってなかったのう」


「わたしも、知らなかったデス」


「セカンドスキルはマジックだけのものじゃないけどね。まあ、これではっきりしたね」


「なにがですか?」


「わたしが最強だってことだよ!」


「じゃあ、ギルマスやります?」


「めんどーなので、それはいらない……」


「そっか……」


「とりあえず早く帰らないと、またモンスターが、来たりするんじゃないかのう」


「ですね、早くかえりましょうデス」


 俺たちは、早く帰ることにした。


 最後の活動不能かいふく薬は、俺につかい。


 俺が、カゲヤマさんをせおう。


 テッシちゃんは、ほふく前進で町まで移動してくれる。


 マヤは、荷物とカンテラ係になった


 俺たちは、無事にボイコット町についた。


 ここまでくれば、おそらくもう平気だろうか。


 町の門につくと、門のうえで大きな影がみえた。


 これが、さっきの魔道砲か。


「俺、魔道砲の人に、ちょっとお礼にいってくるわ」


「わたしもいきますデス」


「そうじゃのう」


 なんだかんで、みんなで行くことにした。

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