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 ――三時間目。国語の時間。


「さて諸君。我々紅魔族にとって、文法や言葉というものはとても大切な物だ。なぜだか分かるか? ……めぐみん! 我々紅魔族にとって、なぜそれらのものが大切なのか答えなさい」


 担任の指定に、私はその場に立ち上がり。


「素早い詠唱、正しい発音が、魔法の制御に影響するからです」


「三点。ダメダメだな」


「さ、三点!!」


 この私が三点……。三点……。

 凹みながらフラフラと席につくと、今度は隣のゆんゆんが指名される。


「次、ゆんゆん! 正しい答えを言ってみたまえ」


「は、はいっ! 古に封印された魔法の中には、古い文字が使われています。禁呪といった類いの魔法の解読には、それらの勉強が必要不可欠だからです」


「三十点! 禁呪だの封印された魔法だのといった単語は良かったが、それ以外がダメダメだ!」


「三十点!? ……三十点かあ…………」


 ゆんゆんが寂しそうな顔で席に座ると担任が、お前らにはガッカリだよとでも言いたげな感じに、深々と息を吐く。


「はあー……。これが本当にクラスの上位者なのか……」


「「あっ!」」


 担任の態度にゆんゆんと二人で声を上げるが、腹立たしい担任はそんな私達を無視し、一人の生徒を指名した。


「あるえ! 紅魔族にとって、文法や言葉の基礎が重要だという理由は何か!」


 クラスで三番目の実力者であるあるえが、その場に立つと胸を張る。


「爆炎の炎使いなどの様な、おかしな通り名を防ぐため。そして、戦闘前の口上を素晴らしい物にし、場の空気を熱くさせるためです」


「百点! そう、我々紅魔族の通り名などはとても大切な物だ。この俺にもちゃんとこの里随一の通り名がある。そして、学校を卒業する頃にはもちろんお前達も通り名を考えなくてはならないのだ。よし、次の体育の授業では、この俺が見本を見せてやろう!」


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