20. VMでレトロPCゲームライフ!
このエッセイを読んで懐かしくなったので、好きだった昔のあのゲームをひっぱり出してWindows10にインストールだ。同じWindowsだから大丈夫でしょ……う? 動かない! そもそもインストーラーすら動いてくれない!
……という事態は普通に起こり得そうですね。
Windows95/98時代のPCゲームはその危険性大です。
そんなとき、どうしましょう?
ソフトだけでなくマシンもひっぱり出します? 処分していたらアウトですね。あとノートなら多少楽でしょうけど、デスクトップならちょっと……大変すぎでしょう。
私なら、仮想マシンを利用します。
パソコン上で仮想的なマシンを作って動かす技術です。それ用のアプリケーションが用意されています。そいつで作ったマシンにOSをインストールすれば、今動いているOSから独立した別の環境ができあがるという寸法です。
VMを作成し動かすアプリケーションは無償で提供されているものが多いので、こちらで用意しなければいけないのはOSとゲームだけです。
無償提供されているものとして代表的なものは、『VirtualBox』『VMware Player』『Windows Virtual PC』『Hyper-V』などなど、種類も豊富なので迷ってしまいますね。
『インストールしたいOS』と『今実際に動いているOS』、それと『仮想マシン』や『VM』あたりをキーワードにして検索してみましょう。インストール方法を説明してくれているページ等が出てくると思います。自分の理解できそうなページを参考にして、どのVMアプリケーションならインストールできそうか検討してみてください。
ここで一つ、注意点を。
どのVMアプリケーションを使う場合でも言えることなのですが、おそらくこうしてインストールしようとするOSというのは、すでにメーカーのサポート期限が切れているものかと思います。ということは、セキュリティーアップデートも行われていないことでしょう。その状態でネットワークにつなぐのは非常に危険なことですので、ネットワークについて詳しくない方は、VMの作成時に『ネットワークアダプタ』を削除しておくことをオススメします。
要するに、物理的なマシンで言うところの、LANケーブルの差込口を取り外す、ということになります。こうすることで、ネットワークの脅威から身を守ることができるわけですね。危険因子は根っこから対策しておきましょう。
ただゲームを遊びたかっただけなのに、VM経由でネットワーク攻撃を受けて本体側OSもボロボロ……なんていうのはいやですからね!
ついでにもう一つ。
VMは今動いているOS上で動作させるものですから、CPUやメモリといったリソースの上限はもちろんマシンに依存します。
設定できるからといって上限めいっぱいに設定すると、本体側のOSを動かすためのリソースがなくなってしまうので、にっちもさっちもいかなくなってしまいます。
リソースのご利用は計画的に。
とはいっても、例えばWindows98を動かすとしたら、メモリは128MBもあれば十分でしょう。今のマシンならば少なくとも4GBくらいのメモリは搭載されているかとは思いますので、そこまで動作に影響することはないでしょうね。
ちなみにうちのメインマシンは、CPUはAMD製の8コア、メモリは16GB、みたいな感じです。これだけあればVMいくつか動かしていても全然余裕ですよ!
4年前のハイエンド~ミドルレンジクラスの間くらいの性能でもそんな感じなので、最新マシンを使っている方ならもっと余裕なんでしょうかね。
ああ、最新マシンを組みたい! PCは未だに自作派なんですよ。余談ですが、CPUはAMD一筋でやってまいりました。初めて買ったDOS/V機――またの名をIBM PC/AT互換機と呼ばれる、今一般的に使われているWindowsマシンのアーキテクチャーですね――のCPUがK6-IIIでしたしね。目立たないけどいいモノでした。
やっぱり自作はいいですよ。PC-98時代もムリヤリ拡張したりしていましたが(『13. Brand-new Gameが私を成長させる(後編)』参照)、ゲームを快適にプレイするために自分のマシンをチューニングすることができるんですから! そりゃあうまくいかないことも多々ありますけど、それも含めて楽しいんです。愛着もわきますしね。
快適なマシン環境で快適なゲームライフを!
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