18. 地方活性化から始めるアーケードゲームの復興

 今回は、いつも以上にただのぼやきになるかもしれません。

 わが故郷、秋田県秋田市のゲームセンターがまた一つ閉店されることを知り、やるせない気持ちになっております故。

 もう秋田市内に残っているゲームセンターは、私の知っている限りだと今や片手で数えられるほどの数ではないかと思います。


 今まで最もゲームセンターに通ったであろう90年代後半。

 アーケードゲーム筐体が設置されていた風景はいくらでも思い出せます。


 千秋せんしゅう公園にたたずむ久保田くぼた城を取り囲むお堀の向かいにあった、高校三年間毎日のように通い続けた、雑居ビルの地上1階と地下1階を占めるゲームセンター。

 私の通っていた高校のすぐ近くの大学に隣接していた、薄暗くてちょっと怖い雰囲気の、ビデオゲーム主体のゲームセンター。

 新品中古問わずマニアックな品揃えに定評があり、奥にはMVS筐体群も設置されていたゲームショップ。

 高校の通学途中につい立ち寄ると抜け出せない、MVSが設置されているコンビニ。

 レンタル落ちの8cmシングルCDを漁るついでに小さなミディ筐体で遊んでいけるレンタルビデオ店。


 あんなにもいたるところに存在していて身近であったアーケードゲーム筐体は、いったいどうして、いつから、どこへ行ってしまったのでしょう。


 …………。


 あ、今回のお話は自分の中でもまったく答えを持っていないお話なので、ご了承ください。

 本当に、どうしてこうなった、っていうだけです。

 ああでも、少しだけ考えてみることにしましょう。


 首都圏に目を向ければ、一部のゲームセンターは活況を呈しているように見えます。


 例えば、とある有名なゲームセンターでは、ほぼ毎日のように大会を開催していたり。

 例えば、とある電気街のゲームセンターには、全国から腕に覚えのあるシューター――あるいは漁師――が集まるようなフロアがあったり。

 例えば、とある大手ゲームセンターチェーンでは、電子マネー決済を取り入れて遊びやすい環境を作ってみたり。


 どれもこれも魅力的ではありますが、首都圏だからこそ成り立っているのではないかなと思います。

 というか、内容云々よりも根本的に大事なのはきっと人ですよ、人。

 人がたくさんいるからこそ成り立っているんでしょうね。

 で、人が集まるための公共交通機関も充実しているから、もあるんでしょうね。

 気軽に集まれるからこそ、大会を開ける。

 集まるための公共交通機関で使う電子マネーをそのままゲームプレイに使える。

 そういうことなのでしょう。うまく回っているように見えます。


 うってかわって地方は。

 駅前商店街はさびれ、街中のゲームセンターはことごとく閉店。ゲームセンターは郊外の大型店がメインとなっていきます。

 大型店ともなるとなかなか店ごとの特色は出しにくく、メダルゲームやプライズゲーム、大型筐体に偏りがち。

 ライトユーザーをキャッチ&リリースするのみのお仕事。

 今や家庭用ゲーム機はアーケードに劣らない性能を持っており、コアなゲーマーはお店に行くのも億劫になってしまいます。やりたいゲームは家でネットワーク対戦できる、ゲームセンターに行ってもやりたいゲームは置いてない、置いてあっても対戦相手がいない、という状況なのですから。


 うん、なんだか話していて、アーケードゲームの衰退は地方の衰退と密接に関係しているんじゃないかなと思えてきました。

 逆転の発想で……地方が活性化し駅前商店街に人が賑わうことで、街中のゲームセンターも賑わう!

 アーケードゲームの需要が首都圏のみならず地方へも拡大!

 地方活性化から始めるアーケードゲームの復興!

 どうでしょうかね、撤退相次ぐ大手ゲームセンターを運営している会社さん。

 まずは地方への貢献から始めてみるとか。

 長い目で見ると、いいことあるかもしれませんよ。


 ……なんて、なんだか偉そうなこと言ってしまいましたけど、業界の人じゃないので詳しいことはやはりわからず、ほんと憶測に過ぎないんですけどね。夢見ちゃってる感じです。

 ゲームセンター閉店のお話からいろいろと考えてしまったのでお話させていただきました。

 こんな私にできることといえば、ゲームに関する小説やエッセイで少しでもみなさんに興味を持ってもらい、ゲームセンターやゲームショップに足を運んでいただけるように手助けをするくらいですね。

 できることは精一杯、自分でも楽しみながらやっていきたいなと思います。




 ちなみに、ちょこっとだけ業界に関わったことがあるとすれば、ゲームセンターでアルバイトしたことがあるくらいですね。

 本当はビデオゲームフロアがよかったのですが、すでに人が足りていたのでほとんどメダルゲームフロアに回されていたのでした。

 そのお店もすでに10年前くらいに閉店しております。何店舗か展開していて勢いもあったはずなのになあ……。これはまあ、普通に会社の経営陣が他の事業で失敗したかららしいと噂で聞きました。うーん、どうであれ残念なことです。




 なお、地方活性化に関しては、同郷の方であるこばやしたけしさまの著作がとっつきやすく学びやすいのではないかと思います。

 Web4コマもあるのでお試しあれ。

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