2.新しい日常
第12話-1月24日
朝8時
煩わしい目覚まし時計の音が鳴る。
だが安心して欲しい。今日は1月24日。
つまり二千年にも及ぶタイムリープ現象は、ひとまず収束したのだ。
しかしそれにしても、フラリエの引っ越しが無くなったわけではない。
それならば、私は何故「昨日」をあそこまでやり直したかったのだろうか?
フラリエと来週も遊ぶ事で、「何か」がある と考えるのが自然だ。
つまり、今日は何も無い、…はずだ。
何も無いなら、二度寝しようかとも思ったが、何せ無限に近い時間を栄周辺エリアから脱出できずに過ごした私は、亜高速で身支度を整え、名古屋駅を目指すことにした。
けったに乗るのも、ひどく久しぶりだ。
午前9時、名古屋駅…いわゆる名駅に到着したが、毎日散々モーニングのトーストを食べた私は、少し趣向を変えるべく、とある場所に向かった。
「…朝から寿司って、なかなかいいよね。」
ボッチでもカウンター寿司に入れる強靭なハートを持つ私は、迷わず寂れた寿司屋に入った。
名駅からほど近い、24時間営業の寿司屋である。
適当なネタを少しと、セクハラ寿司とドラゴン巻を食べて満足した私は、スムーズに店を出て、タワーズを目指した。
それにしても、ドラゴン巻はダメだな。
いや、ダメだよ。ほんとに。
日曜日のJRセントラルタワーズには、様々な人がいる。
本当に様々な人。
コスプレをしている人が歩いていても、そうは目立たない。
特に何を買うでもなく、ただ久しぶりに一人で歩く名駅は思ったよりも狭く、金時計で待ち合わせをしている人の姿を見ては、自らの孤独を感じた。
昨日までは、毎日一緒に過ごすのが当たり前だったフラリエが、今日は隣にいないのだ。
私はふと思い立ち、フラリエの好きなCoCo壱のカレーパンと地雷屋の天むすを買い、名駅をあとにした。
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