第7話 水精霊と契約しました

鍛冶屋に向かってレフィーナと共に歩いていると。

「そう言えば、まだ水属性の精霊と契約して無いわね」


『確か、ウィンネちゃんでしょ?サクッと契約しましょうよ』


「そうね、ウィンネと契約しないとね・・・・・・あの井戸でいいかな?」


しばらくすると、井戸が見えて来る。

そこで、井戸水を汲み、水に触れながら念じてみると・・・

『妾を喚び出したのは誰じゃ?・・・ぬぅ、レフィーかぇ久しぃのぅ、息災であったか?ぬしが居るという事は・・いや、言わんで良いぞ・・・・・さては、そなたが妾を喚び出したのじゃな?』

そうウィンネは、近くに有る樽に向かって言った。


「『いや、違うし』」

思わずあたしとレフィーの声が重なる。


『イヤ、冗談じゃ冗談。久しぃのぅリル嬢や・・・・いやどうした事じゃリル嬢の魂の色が微妙に違うのじゃ・・・そうか!お主は影武者じゃな?』


「『違うし』」


(何この展開、ウィンネのあまりのドヤ顔に付いていけないわ)


見ると、レフィーナも何か疲れた感じだ。

「ねぇウィンネ、ちょっといい加減にしてくれないかなぁ。話が進まないんだけど」


怒っているけど、笑っている。そう言う表情でウィンネに近づく。

ちなみに、レフィーナはあまりの怖さに、急いで物陰に隠れ、ぶるぶると震えている。


『い、いや、妾が悪かった。ひさびさじゃったからつい・・・い、痛い痛い耳を引っ張るのは堪忍しておくれ。ホント反省しておるだから許しておくれ』


あたしは、ウィンネのエルフ耳を引っ張りお仕置きをすると、ウィンネは涙を流し許しを乞う。


(そろそろ許しあげるかな)

耳を引っ張っていた手を離すと、ウィンネは引っ張られていた耳をさする。


『ほんにすまぬのじゃ。許しておくれリル様・・・契約の件じゃな?』

そう言うとウィンネは、キスをしてきた。


(!?な、なんて事するのよウィンネは。こんな儀式聞いた事にいわよ)


『契約完了じゃ。儀式が通常と異なるのは、妾の親愛の表れだと思ってくれ』


(駄精霊が二人に増えたわ・・・)

いろいろ不安を抱えつつ、一路鍛冶屋へと向かった。




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