第4話 王都に向かいました

ガタン・・・ガタン

馬車は一路王都へ向かってひた走る。

只今、丁度全行程の半分、順調に行けば夕方頃に王都に到着するという事だ。

これまで何も無かった訳じゃない。


イノシシに数度、オオカミの群れが一回、それと、盗賊の襲撃がこれまでに三回、そうウチみたいに貧乏な領地でも三回も有るのだ。


それでも、セバスチャンの話しでは少ないらしい。

その上、レフィーナが張り切って全て倒してしまい、今回連れて来た30人居る領兵も出番無し。


しかも普通なら、盗賊は死ぬか、手もしくは足が欠落して、五体満足な者が皆無な所、全員気絶しただけという。


捕まえた盗賊は、宿場街の国軍の詰所に引き渡す。

したらどうだろう、捕まえた盗賊一人当たり銀貨一枚を報償金として出すという事だ。


捕まえた盗賊が18人居たので、大銀貨一枚と銀貨八枚の臨時収入になった。


と、ここでお金の話しになったので、我が国の通貨についてご説明しょう。


この、ザルヘルバ王国の通貨単位はズゼ、表記はZZ


使用貨幣は

安い物から

小銅貨(10ズゼ)

銅貨(100ズゼ)

大銅貨(1,000ズゼ)

銀貨(1万ズゼ)

大銀貨(10万ズゼ)

金貨(100万ズゼ)

大金貨(1,000万ズゼ)


これに、ウチみたいな辺境だと、銑貨(1ズゼ)と呼ばれる鉄製の硬貨を使う。

通常7種類の、辺境限定の一種類の合計8種類となる。


これに、昔は白金貨なる物を使っていたらしい。

白金貨って位だから、差し詰額面の金額は1億だろう。


確かに使用している貨幣が全て硬貨だから、有れば便利だと一瞬思うけど、そんな額面金額では、使い勝手も悪いし、第一、無くしたり、盗難にあったらとんでもない損失である。


なので、今は使われて無いというか、300年位前から鋳造されてないので、好事家には垂涎の的である。

(・・・そんな白金貨がウチを探したら3枚も有るとか、セバスチャンに聞いた時には「へぇ凄いねぇ」位の受け答えをしたけど、まさかレフィーナと一緒に家探しをしたら3枚も見つかるとは。レフィーナ的には「まだ有りそうですけど探しますか?」って言ったけど、まだ有るんかい、と心の中でツッコミを入れたのは記憶に新しい。まぁ、白金貨の件を置いても、18万ズゼの臨時収入、ウチの人頭税が一人当たり年に1,000ズゼだから、人頭税180人分かぁ、まぁまぁかな?)



その後、王都到着まで更に三回、向かって来た盗賊を討伐する。

しかも、今度は合計49人、王都の近くで良かった事と、領兵も今回は参加したが、全ての盗賊が欠損部位もなく、五体満足で捕らえる事が出来た。レフィーナ様々である。

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