第8話«番外編» ─Alice─


「天神后じゅうな…ゴフンッ…あー、えー、16歳

 ですごめんなさい、

 ──兎に連れられて月の姫になりました」

「兎に連れられて─ってあんた不思議の国で

 すか、アリスコスしなさいアリスコス」

「ちげーしアリスじゃねーし。コスとか絶対

 するかアホ」

「絶対する、ですか。霧砂、」

「ああ。──我が皇子、アリスコスです」

「────日本語って難しいなー…

 ていうかこんな時だけ晴明に従順にならな

 くていいんですけど、霧砂サン…」

「さぁさぁ、コスプレ大会ですよ后様」

「月の姫と言うからには姫らしい服装も必要

 かと思い、こちらも用意致しました」

そう言って霧砂が出したのは、

いつか牡丹が着てたような十二単と、某夢の国に居るプリンセスの様なふわふわドレス。

「霧砂、たまにはやりますね」

「俺的には嬉しくないんだけど」

「晴明、嬉しくないんだが……因みにこちらも

 用意致しております、我が皇子」

「?、近衛大将の服と…甘雨の服だ、」

ぱぁぁ、と后が笑顔になる。

霧砂が出したのは、以前コスプレの代償に着せてもらった近衛大将の正装(后サイズ)と、前から着たい着たいと言っていた青龍の正装(后サイズ)。

「前から着たいと仰って居られましたので」

「やったぁぁぁ!!!!」

思わず笑みを漏らして話す霧砂と、

思わずにや、とにやける晴明。

「但し」

霧砂からパッと2着を奪い、后の届かないところに掲げる。

「あ、なにすんだよ!!」

「但しこの2着を着たいのなら、アリスコスと

 十二単とドレスを着てくださいね」

にこ…否、にや、と笑む晴明。

「うぐっ…これは前の…」

「ではどうぞ、近衛大将の服と甘雨の服は最

 後でいいですよー」

「着ること決定っ!?」

「決定ですよー、霧砂ー」

「失礼します、我が皇子」

「えっ…うわぁぁ、」

霧砂が指を鳴らすと后の服装は十二単に変わった。




───しばらくコスプレ大会をして、

   后希望の2着も来て、本編1話に至る。

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