50.【最果ての】

夢に見た地は何処いずこ


 未だその道程みちのりは遠く


歩く足は重く進まず


 その歩幅も速度も遅くなってゆく


本当にこの道は正しいのか


 それを知るのは辿り着いたさき



やがて わたしは力尽き


 見えない向こうに手を伸ばす



わたしは何度も立ち上がり


 遅い一歩を続けてゆく



 ああ ああ


 もうこんなになってと


しわだらけの手を眺め


 それでも顔は前を向く




夢の地には辿り着かないだろうと


 解ってはいても



わたしは


  最果てを目指し


 その手を伸ばす

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月の満ち欠け 巡る星々【詩集】 河野 る宇 @ruukouno

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