記録4 異世界は楽園・・・?
楽しい朝食が終わった後は、いよいよ密林を進まないといけない。
麗子たちは車のトランクに積んであったレインコートや長靴などの雨具を取り出して着装した。
何かあったときのための道具類も用意した。
サブも、置いてある刀をはじめ、部屋にある使えそうな道具をカバンに入れて、支度した。
「あてもわからない
「おう」
リーダーの龍行が、選挙に出馬する候補者のように、皆を叱咤激励する。
雨上がりのぬかるんでいる道なき道を四人ははぐれないように、しっかりと一列に並んで進んでいく。先頭は龍行、後方はサブで、間に麗子と芽衣子の女性二人が挟まれている。
何かあった時は、か弱い二人を守るための陣形だ。
密林は蒸し暑く、まるでサウナのような暑さだった。皮膚病や肌荒れになると危険だと考えて、全員顔や首などに念入りに日焼け止めクリームとサンオイルをたっぷりと塗っておいた。
「サブちゃん、準備がいいのね。日焼け止めのクリーム持っているなんて、昔はクラスでも不器用で大雑把なことばかりしていて、みんなにいろいろと怒られているような人だったのに」
学生時代は、風呂なんて一週間のうち二~三日の間に入ればいい、歯も磨かない、顔も洗わないと不潔男子だったサブが、日焼け止めクリームなんてもっているので麗子は驚いた。
「現場仕事だから、今の時期は僕らの必需品さ、それに、僕も寝る前は、風呂上りに必ず洗顔ソープで洗顔して、化粧水と乳液をたっぷりと塗って顔の肌ケアしているよ」
「まあ、大人のたしなみよね」
「それだけじゃないよ。仕事柄いろいろな現場に行くから、洒落たレトロな銭湯やプール、スポーツジムなんかを見つけたら、休みの日に一人で行って時間をつぶすのが楽しみなんだ。他にも、ショッピングモールやデパートのメンズショップで、香水や男性化粧品があれば、小遣い貯めてゲットしているんだ」
「あら、じゃあ、今度いいところ紹介してもらおうかしら」
「いいよ」
何とも女子受けのいいサブに、麗子は話していて驚くばかりだった。
小学校から高校までの間は学年で常にトップクラスの成績、有名大学に合格した後も首席で卒業出来た。大学院進学や現在勤めている会社以外にも大手企業や海外の有名企業や各省庁からも麗子にスカウトの声がかかってきた。
在宅警備員異世界記録 @sinkaitakuto18
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