きれいな子たちの寮制学校
マリは寮制の学校に通っています。その学校の校舎は木造で、照明は黄色がかっていてあたたかい雰囲気です。周りの生徒はみんな外国人で、ファッションモデルのように美しい女の子ばかりでした。マリはそんなクラスメイトたちから気味悪がられていました。理由はわかりません。マリ一人だけがとても地味な容姿だからかもしれません。
みんなはマリが寮の階段を上るのを見て笑いながら「あの子の寝床は一番上の階よ」と囁き合っています。それを耳にしたマリは、荷物を隠されたり、何か意地悪をされるような気がしてソワソワしました。部屋に荷物を片付けると、マリは寮の中にあるポップコーン屋さんでポップコーンを買うことにしました。
売店に着くと「ポップコーンください」と背伸びして、店員をやっている生徒に声をかけましたがその子はマリを無視してなかなかポップコーンを作ってくれません。「ポップコーンください。」もう一度言ってもだめでした。
とぼとぼと廊下を歩いていると、通りかかった部屋の中に蝋燭の灯りを頼りにして本を読んでいる女の子がいるのを見つけました。その子は唯一、マリに意地悪をしない子でしたが、優しくしてくれるというわけでもありません。
マリは心細くなって、その子にそっと近寄りました。その子は何も言わず本のページをめくり続けました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます