003 イン冒険者ギルド[スパデズ]支店
牛歩で時間を稼ぎつつ『冒険者ギルド』の扉を引いた。見た目はゲーム時代と同じだが、
埃っぽいし、なんか臭い。やはりおっさんがおっさんでおっさんだからっておっさんの
「よう兄ちゃん、新顔かい?まずは目の前の受け付けへ顔を出すといいぜ」
おっさんがおっさんでおっさん、このおっさんは新型のおっさんであり、外に居たおっさんとは別人です。どう見ても同じおっさんだが……某電気ネズミなアニメでも同じ姉さんが全世界に居たので、このおっさんも全世界に存在するのだろう。…していた(悲報)。
なぜおっさんなのか、またガン無視したくなってくるが
「ほら兄ちゃん、こっちだ」
このおっさんは改良型おっさんなので、有無を言わせず受け付けへ連れていかれてしまうのだ。なぜおっさんなのか、ヤマコウめ。
「兄ちゃんはじめて見るね、冒険者ギルド[スパデズ]支店へようこそ。
それじゃここに名前を書いてくれるかい」
「………」さっきのおっさんと対になるような”おばちゃん”があらわれた。
本当に夫婦だったりするのだろうか? すこぶるどうでもよい。
ここで粘っても無駄なので素直に名前を書く。適当に ああああ とかにされたいなら粘ってもいいが。
「そしたら職業を選ばないとね、”みならい戦士”、”みならい斥候”、
”みならい僧侶”、”みならい魔法使い”のどれにする?」
「………」「新顔や、はじめて見たから”いきなり4職から選べ”とは無理矢理すぎるだろ!」っと、思うだろう。しかしTJOの世界では15才になったら職に就くのが当たり前、『村人』が許されるのは14才までだよねーキャハハハ…なのである。(14までは家事手伝いや基礎学習を受けていた…という設定だ)
さらに言うと年頃の若者が、わざわざ[スパデズ]の冒険者ギルドにやって来る…というのは『そういう意味』なのだ。
実を言うとオモテにあったクリスタルは世界に4つしか無い。そして他3つは周囲のモンスターのLVが高く、初級冒険者には手が出ない。だから冒険者を目指す若者は、皆この はじまりの街[スパデズ]へやって来る(…という設定らしい)
「どうする?決められないなら”みならい戦士”がおすすめだよ。
やっぱり最後に物を言うのは身体能力だよ」
「………」たしかにその通りなのだが、実はパラメータは自分で割り振り出来るので強靭な肉体を持つ魔法使いにもなれなくもない、まぁ『職補正』とか『職ボーナス』が無いから、やはり戦士系の方が身体能力が高くなるが。
それに当然だが筋力、体力等に振っていては魔法の覚えも威力も悪くなるので無意味な行為だ。……うかうかしていると適当に決められてしまう。
「………みならい僧侶で」
「みならい僧侶だね?ちょっと待っとくれ」
おばちゃんが”俺が名前を書いた紙”を持って奥の扉へ入っていった。
・
・
・
「これが兄ちゃんのギルドカードだよ、内容を確認したら首にさげてくれるかい」
「………」ギルドカードにはスミに穴が空いていてチェーンが通されている。受け取って名前と職業を確認し、間違いが無いので首からさげる。ぼうっと
「それじゃ登録されたか確認するよ、動かないどくれ」
おばちゃんが頑丈そうなゴム手袋? を付けて、俺の首からそっとギルドカードを抜き取ろうとすると、ビリッっと電気が走った。
「しっかり登録されてるようだね、あんたも他人のギルドカードを盗もうとかすると、今ぐらいなら軽い電気が走る程度ですむが、完全に抜き取るともの凄い電撃が奔るから気をつけな」
「………」その設定は知っていたがギルドカードを盗んだところで大して得する事も無い。
そもそもこの世界で悪事は割りに合わない。神罰では無いがペナルティが重すぎる。
悪人や犯罪者には厳しいヤマコウクオリティ。
-------------------------------------------------------------------------------
LV:1
職業:みならい僧侶
武器:なし
防具:布の服
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます